東芝 4種類のAIモデルがNVIDIA Jetsonに対応 高度なエッジアプリケーションの開発が簡単に

東芝デジタルソリューションズは、同社の「SATLYS 映像解析AI」の人物/物体検出・追跡や顔認識など4種類のAIモデルについて、普及が進むエッジAIプラットフォームの一つであるNVIDIA Jetson対応版の提供を開始した。

リアルタイムな機器制御や、プライバシーへの配慮が求められる顧客分析や監視・防犯などの領域で、映像解析AIを用いた高度なエッジアプリケーションを、迅速かつ容易に開発することが可能になる。

提供背景

近年、社会インフラや製造現場における機器制御や監視、商業施設での顧客分析・マーケティングや防犯などの用途において、センサーやIoT端末などのエッジデバイス内で情報処理を完結できるエッジコンピューティングのニーズが高まるとともに、AI処理をエッジデバイスで実行・完結するエッジAIのニーズも高まっている。

エッジAIは、遅延なく迅速な判断を可能にする「リアルタイム性」や、「情報漏えいリスクの低減」、「通信負荷・コストの低減」などを特長としている。これらの特長を有し、GPU搭載の小型コンピュータボードとその開発キットで構成されるNVIDIA Jetsonが、ニーズが高まるエッジAIの実行環境として急速に普及が進んでいる。

「SATLYS 映像解析AI」は、人物や物体の検出と追跡、顔認識や性別・年齢の推定、人物の行動認識や骨格の推定などの学習済みAIモデルで、流通・物流、製造、エネルギーや社会インフラなどの分野で適用されてきました。従来のクラウドAPI、オンプレミス用SDKでの提供に加え、NVIDIA Jetsonに対応するAIモデルをラインアップに加えることで、映像解析においてリアルタイム性やプライバシーへの配慮が必要なアプリケーションを、迅速かつ容易に開発することが可能になる。

東芝アナリティクスAI 「SATLYS 映像解析AI」について

東芝グループが長年の研究開発で強みとする映像・画像解析の技術を活用した学習済みAIモデル。

人物や物体の検出と追跡、顔認識や性別・年齢の推定、人物の行動認識や骨格の推定、人数や密集度のカウント、変状や異常の検知などの学習済みAIモデルを提供する。複数のAIモデルを組み合わせて、動線分析などの複雑な解析にも対応できる。学習済みAIモデルのため、タイムリーなアプリケーションへの組み込みが可能。さらに、特定のカメラに依存せず、既設の見守り・監視カメラで撮影した映像を解析することができる。

目視による解析の負担を軽減し、社会・暮らしの安心・安全やビジネスの進化・発展に貢献する。

「SATLYS 映像解析AI」 NVIDIA Jetson対応版について

各AIモデルを活用した認識・検知イメージ

次の4種類のAIモデルについてNVIDIA Jetson対応版を提供する。Jetson開発者キットで利用できるSDK(ソフトウェア開発キット)として提供する(Jetson Orin Nanoで動作検証済み)。

・「人物/物体検出・追跡 AIモデル」
映像内の人物や物体を検出し、対象物ごとに追跡することができるAIモデル。

・「カメラ間追跡 AIモデル」
別々の場所で撮影された複数の映像から、同一人物を認識することができるAIモデル。

「顔認識 AIモデル」
さまざまな環境下で、個人を高速・高精度に認識することができるAIモデル。

「人物属性推定 AIモデル」
検出した顔に対し、性別、年齢を推定することができるAIモデル。


ユースケース

「SATLYS映像解析AI」エッジでの活用例
サービスロボットに顔認識や人物属性推定の機能を追加し、来店客層の把握などマーケティングに活用

次のようなユースケースを想定している。

1:顧客分析:映像データをサーバやクラウドに送信・蓄積することなく、店舗に設置したエッジデバイス内で解析し客層・動線分析の処理を完結させるため、プライバシーに配慮した顧客分析を実現
2:監視・防犯:プライバシーに配慮しながら公共空間を監視し、リアルタイムで各種防犯システムと連動
3:ロボティクス:リアルタイムで自律的な制御が必要なサービスロボットや産業用ロボットに顔認識や人物属性推定の機能を追加

東芝デジタルソリューションズは、今後も「SATLYS 映像解析AI」のNVIDIA Jetson向けAIモデルの強化やラインアップ拡充を通じ、社会・暮らしの安心・安全やビジネスの進化・発展に貢献するとしている。

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ロボスタ編集部

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