アクセンチュア 生成AI・AIエージェント・AI同士の対話を共創する拠点「アドバンストAIセンター京都」開設 経営者は企業の将来や変革の相談も

アクセンチュアは2024年11月14日、京都市中京区に「アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都」を開設したと発表した。開設された「アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都」は、生成AIを中心とした世界先端のAI技術を駆使して顧客の抜本的な変革を支援する。アクセンチュアは、報道関係者向けの説明会を開催し、キーワードとして「生成AI」「AIエージェント」「AIエージェント同士の対話」をあげた。顧客やその業界、さらには社会全体の変革を主導し、持続的な成長を支えることで、日本の経済成長に貢献するとしている。


なお、アクセンチュアは世界的に展開するグローバル企業で、全世界で従業員は77万4千人、49カ国200都市に展開している。社員数は過去10年間で2倍に増加した。うち日本法人の従業員数は2万7千人。日本に初めて事業所を構えたのが1962年なので、これまで62年の実績を積んできた。
なお、グローバルでの売上高は約10兆円。本社という概念がなく、米国企業ではない(ヘッドクォーター実質存在しない)総合コンサルティング会社。

アクセンチュアは戦略コンサルティングだけではなく、IT系コンサルティングやSIer、BPO、クリエイティブエージェンシーなど、エンドツーエンドでサービス提供している点がユニークなところ。


アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都とは

アクセンチュアが目標に掲げる「AIエージェント」は、SiriやAlexaのような質問に応える対話型のAIエージェントではなく、個人に寄り添い、個人を理解しているパーソナルAIエージェントをさしている。その人の最良のバディとして存在するAIと捉えるとわかりやすい。

パーソナルAIエージェント、要素技術として生成AIが重要で、テキストだけでなく、画像・動画、音声、表などマルチモーダルなデータに対応できるもの


「日本では一番AIの知識が集積していく拠点」(江川社長)

今回開設された「アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都」に話題を移すと、顧客が世界先端のAIを用いた体験を通じて自社や組織の変革構想の着想を得て、アクセンチュアと共に革新的なアイデアを創出する拠点と、位置づけられている。同社の代表取締役社長 江川昌史氏によれば「AIにおいては日本でナンバーワン、AIの知識が集積していく一番の拠点」という位置付けだ。


来訪者は、まず本拠点を司る「セントラルAI」との対話から体験が始まる。セントラルAIは、音声や画面上でのインタラクションだけでなく、物理的なロボットとしても姿を現し、滞在中、終始来訪者をエスコートする。発表会では動画内でセントラルAIが登場し「AIと人、AIとロボット、AI同士の共演まで、さまざまなインタクションを提供します」と流ちょうな日本語発音で語った。

ディスプレイの中で具現化した「セントラルAI」。会話が丁寧だが、ちょっと怖い

リアル世界の案内役の犬型AIロボット。セントラルAIが操作している

来訪者は本拠点において、「生成AI」がもたらすインパクトを体感し、ビジネスへの応用に向けたインスピレーションを得ることができる。例えば、来訪者の経営計画や、それを支える現在の組織・人員体制、市場動向などの情報に基づき、生成AIが即座に最適な人材リソース配分を提示する。


科学的な根拠で提示された未来図をもとに、来訪者はアクセンチュアのプロフェッショナルと共に、理想的な人材資産構成や企業組織の構築に向けた議論を行い、戦略的なロードマップ策定につなげることなども可能、としている。

アクセンチュアの専門家を模したAIエージェントと会話したり意見を交わすことができる。画像はアクセンチュアの執行役員、AIセンター長 保科氏を模した生成AIエージェント

対立した意見でAIがディベートする討論会場もある。ディベートには来訪者も参加・発言することができる。更に、生成AIが画像やテキスト、データなどを生成する生成AIスタジオも用意されている

企業の将来や変革について、AIによる予測も体験できるという。来訪者の企業の情報をシミュレーションしながら、AI同士が議論・反論、ファシリテイターAIがまとめる、といった体験もここでできるという。実に興味深い。


アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都の主な役割

ビジネスの創造

世界先端のAI技術と各種センサーやロボットとの連携による、人間とマシンが協働・共生する次世代の体験を通じて、AI活用を前提とした企業変革構想の具体的なイメージを提供する。また、アクセンチュアのプロフェッショナルが、AIと人間の関係性、社会の在り方、公平性や透明性を確保する責任あるAIにおける重要なポイントに関する豊富な知見を活用し、顧客の抜本的なビジネス変革の道筋を描く。


かつてない生活者体験をもたらすサービスの共創

世界先端のAIとデータを活用した革新的なアイデアを創出し、かつてない生活者体験をもたらすサービスとして具体化していく。データやAI、デジタル活用に関して深い知識を持つアクセンチュアのプロフェッショナルが顧客と共に、AIモデルの策定・検証などのプロセスを重ね、お客様のサービスが圧倒的な差別化や革新性を備えたものとなるよう支援する。


調査と研究開発

アクセンチュアが世界25カ所に展開する生成AIスタジオを中心に、国内外のイノベーション拠点や京都大学などの学術機関と連携し、AI技術の人間・社会、およびビジネスへの応用に関する世界先端の調査、研究開発を推進する。また、これらの活動を通じて得られた成果などを社会に発信し、技術の進歩とよりよい社会の実現に貢献する。


アクセンチュア 執行役員 AIセンター長 保科学世 氏コメント

アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都は、経営者がAIに対する理解を深め、AIとの対話を通じて企業経営に新たな洞察を得るための拠点です。また、AIと共に企業の未来を形づくる場でもあります。さらに、本センターは京都大学をはじめとする学術機関との連携を通じて、京都から先端のAI技術や情報を世界に発信する役割も担います。これら取り組みを通じて、世界規模でのイノベーションの推進に尽力してまいります


アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都の概要

名称 アクセンチュア・アドバンスト・AIセンター京都
(英語表記:Accenture Center for Advanced AI Kyoto)
所在地 〒604-8153
京都府京都市中京区笋町689 京都御幸ビル2階

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ロボスタ編集部

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