大阪メトロ梅田駅でNTTの生成AI「tsuzumi」と案内ロボット「ugo」で多言語対応の社会実験 大阪・関西万博に向けて

大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)、NTT西日本グループ、NTTコミュニケーションズ、ugoは、2025年1月15日(水)から、Osaka Metro御堂筋線「梅田駅」構内のポップアップ型販売店舗「Metro Opus梅田店」で、案内ロボットとして「ugo」(ユーゴー)を配置、NTT西日本グループとNTT Comが連携して提供する大規模言語モデル「tsuzumi」(つづみ)をはじめとした複数の生成AIを活用した社会実験を行うことを発表した。
期間は2025年1月15日(水)から2025年3月15日(土)までの2ヶ月間。


ターゲットは「2025年大阪・関西万博」、多言語に対応

この社会実験のターゲットは「2025年大阪・関西万博」。国内観光客に加えて、訪日外国人観光客がさらに増加することが予想されるため、多言語による質問に対して、案内ロボットが迅速な対応が可能か、サービス提供への対応強化を試す。

この社会実験において、「ugo」と生成AIの組み合わせによるOsaka Metro駅構内におけるユースケースの有効性が確認できた場合、2025年4月13日(日)から開催される2025年大阪・関西万博の最寄り駅となる中央線夢洲駅でも同様の社会実験を行う考え。


Osaka Metro御堂筋線梅田駅構内のポップアップ型販売店舗「Metro Opus梅田店」に案内ロボットとして「ugo」を配置。「ugo」ではNTT西日本グループとNTT Comが連携して提供する大規模言語モデル「tsuzumi」をはじめとした複数の生成AIを活用する。
「ugo」が様々な言語で利用者と対話できるかを実験する。また、多くの人が利用する駅環境下で、「ugo」が案内ロボットとして適切な役割を果たせるかどうかも検証していく。


「ugo」の機能と各社の役割

配置した「ugo」は定期的に発話し、立ち止まった利用者に対して挨拶やMetro Opusで販売する商品を案内する。また、利用者からの問いかけに対応する「対話」機能では、利用者の使用する言語に合わせ、多言語での案内・回答を行う。


各社の役割

・Osaka Metro:
 フィールド提供
・NTT西日本グループ:
 通信環境の提供、導入・保守サービスの提供、プロジェクト統括
・NTT Com:
 「ugo」上で動作する生成AIを活用したサービスの開発
・ugo:
 「ugo」の提供および技術サポート

NTT西日本グループ、NTT Com、およびugoはロボットと生成AIを組み合わせて人手不足の解決に貢献するソリューション開発を目指す。

Osaka Metroは「ugo」の配置によって、利用者の反応や行動変容を調査し、将来の人手不足の解消と、より質の高いサービス提供の両立の実現を目指す。また、「Osaka Metro 108駅サービス拠点化プロジェクト」を通して、今後も駅の賑わいと駅ナカの新たな価値提供を目指し、様々なサービスを展開することで、駅や駅周辺の魅力向上に取り組むとしている。


人材不足にテクノロジーで対応

日本では少子高齢化に伴う人口減少が進行しており、人材不足が深刻な課題となっている。一方で、サービス業や交通機関では外国人観光客の数がコロナ禍以前の水準に回復しつつあり、現場では多言語対応が必要な機会が増えている。スタッフが多言語で個別のニーズに応えるには限界があり、新たなテクノロジーを活用した解決策が求められている。


実証実験について


期間:
 2025年1月15日(水)から2025年3月15日(土)まで
場所:
 Osaka Metro御堂筋線梅田駅 ポップアップ型販売店舗「Metro Opus梅田店」
対応言語:
 日本語、英語、中国語、韓国語




今後の展開

この社会実験において、「ugo」と生成AIの組み合わせによるOsaka Metro駅構内におけるユースケースの有効性が確認できた場合、2025年4月13日(日)から開催される2025年大阪・関西万博の最寄り駅となる中央線夢洲駅でも同様の社会実験を行う。
世界各国からの利用が見込まれる夢洲駅で社会実験を行い、更なる対話ケースの知見を深めることで、将来的にはOsaka Metroの利用者に、より利便性の高いサービスを提供することを目指す。

また、今後「ugo」に搭載した「tsuzumi」等を、クラウドを介さず使用することの検証も行い、さらにスムーズな受け答えが実現できるよう検討を進める。




『Osaka Metro 108駅サービス拠点化プロジェクト』とは

利用者が「駅にあったらいいな!」「駅にあって良かった!」「駅で新たな発見を!」の3点を計画的に積極的に取り組むプロジェクト。
・『駅にあったらいいな!』は、毎日利用する駅ならではの店舗や生活サービスを駅に設置。
・『駅にあって良かった!』は、『いざ!』『困った!』という時に活躍する商品や生活サービスを駅に設置。
・『駅で新たな発見を!』は、新商品との出会いや新サービスを駅でいち早く体験できる環境を駅に整える。
これらの取組みを通じて、大阪が便利で過ごしやすくなるよう108駅サービス拠点化を進めるもの。

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ロボスタ編集部

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