自動運転車両の接近を知らせ、歩行者に注意喚起するLED表示板の実証実験に参画 積水樹脂

積水樹脂は、自動運転車両を使って高齢者向けの移動支援を行っている和歌山県太地町にて、自動運転車両の接近をLED表示板(オプトマーカーⅤ)にて、歩行者に注意喚起する実証実験に2025年2月14日から3月13日の1か月間参画した。

今回行われた実証実験は、国土交通省 近畿地方整備局 紀南河川国道事務所の発注で、オリエンタルコンサルタンツが全体の企画提案と各種調査・検証を実施。積水樹脂はITS技術を活用した自動運転車両の接近をお知らせするシステムを提供した。

実証実験の背景

太地町は人口の高齢者率が45%を超えている中で、町内には家屋の密集地帯が多く、バスやタクシーが通れないような細い路地がいくつもある。そのため足腰が弱い高齢者にとっては通りのバス停までの道のりが遠く、気軽に外出し辛い状態だった。

そのため、2022年11月に町営じゅんかんバスでは運行できないエリアを中心に、漁協スーパー・老人憩いの家・病院等を周回する1周3.2km所要時間約45分のルートで、2台体制(1日18便)で運行を開始。2024年6月からは新たなルートでの2台体制の運行(1日22便)も開始し、町内を周回し月にのべ1,000名以上に利用されているサービスである。車両サービスはフリー乗降制で、タクシーのように手を挙げれば止まり、太地町のテーマソングで接近を知らせる。車両はランドカーを使用し、道路に埋められた電磁誘導線に沿ってゆっくり走行する。自動運転サービスが外出機会の増加や買い物満足度の向上、ひいては太地町に住み続けることの安心感にも繋がっている。

利用者が拡大する一方で音で車両接近を知らせているが、見通しの悪い路地から県道へ出る時は歩行者が自動運転車両の接近に気づかず、危険なことが課題となっていた。

実証実験の内容


狭い路地から県道に出る見通しの悪い場所にLED表示板(オプトマーカーⅤ)を設置、自動運転車両には、ITS技術を活用した車載機(位置測位ユニットと省電力無線通信機)を搭載し、LED表示板が車載機から送信される位置情報から自動運転車両の接近を検知し、歩行者に対しLED表示板(オプトマーカーⅤ)を点灯して注意喚起を行う。この場所は近くに小学校があるため、ピクトやひらがなも注意喚起に使用している。



また、LED表示板をより確認してもらうため、LED表示板点灯時には下部に設置した注意喚起灯(サンデリーⅢ)を点灯させ、LED表示板(オプトマーカーⅤ)の誘目性を高めている。


設置されているオプトマーカー

和歌山県太地町自動運転車両サービスの概要

太地町人口 2,826人(2024年3月末現在)
自動運転サービス運行開始 2022年11月
使用車両 ランドカー
コース 2コース
車両数 4台
便数 1日40便


LED表示板(オプトマーカーV)について


今回設置のLED表示板(オプトマーカーV)は、道路状況、気象情報を文字やピクトで表示することで、歩行者やドライバーに注意喚起し、事故を未然に防止、安全をサポートする。



オプトマーカーⅤは、遠隔操作で表示内容を変更可能な製品も品揃えしており、センサ等と組み合わせることで道路冠水等の情報を得て、安全な道路環境の維持、管理の省力化を支援する。

積水樹脂は長期ビジョン「積水樹脂グループビジョン2030」において、「自動運転等次世代交通技術」を成長戦略重点分野の1つに位置づけている。当社の交通安全製品とIoT技術の融合により、路車間連携製品を開発。これにより、自動運転車と歩行者、または運転者のいる車両との円滑な相互コミュニケーションの実現をめざし、今までも様々な自治体での社会実験に参画し、その経験を生かしてまいる。


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ロボスタ編集部

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