チューリングが自動運転向け生成世界モデル「テラ」を開発 約1500時間分のデータを学習に使用

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Turingは日本初となる自動運転向け生成世界モデル「Terra」を開発したことを明らかにした。Terraは現実世界の物理法則や物体間の相互作用など複雑な状況を理解し、リアルな運転シーンを動画として出力することができる。運転シミュレータや自動運転システムの一要素として利用することで、より安全かつ効率的な自動運転開発を行うことが可能になるとしている。

自動運転向け生成世界モデル「Terra」について

Terraは、現実世界の物理法則や物体間の相互作用など複雑な状況を理解し、リアルな運転シーンを動画として出力することが可能な生成世界モデル。アクセル・ブレーキ・ステアリング等の詳細な運転操作情報を含むTuring独自の走行データと、オンラインで公開されている走行映像の合計約1500時間分のデータを学習に使用しており、任意の運転操作を高精度で再現することが可能。
Turingは、言語理解を行うLLM(大規模言語モデル)、複数種類のデータを元に高度な判断を行うマルチモーダルAI、空間把握と身体性を持つエンボディードAI、という3つのステージを経ることにより、2030年までに完全自動運転車両を開発することを目指している。今回発表したTerraは、上記におけるエンボディードAIのステージにおいて自動運転開発を推進する重要な技術となる。

特徴1:シミュレータとしての利用が可能

Terraを運転シミュレータとして利用することで現実の運転シーンをリアルに再現し、右左折や突発的な状況への対応などを学習・評価することができる。
工事等により路面に障害物がある場合や、運転操作を誤り進路を逸脱した場合など、一般的な運転シーンでは遭遇しづらいエッジケースのシミュレーションにおいて高い効果が期待でき、これにより開発の安全性と効率性を向上させることが可能となる。

特徴2:自動運転システムの一要素としての利用が可能


Terraの仕組み

Terraを自動運転システムの一要素として利用することで、現在の交通状況を分析し、未来の予測結果を自動運転システムの運転判断に用いることができる。
具体的には、カメラ画像から得られたデータを解析し、周囲の歩行者や他車両の動きなどの詳細な状況を理解・予測した上で自動運転のメインシステムと連携することで、より高度な運転判断を行うことが可能になる。

開発背景

OpenAIの動画生成AI「Sora」に代表されるように生成AI技術は日々急速に進化しており、近年では自動運転分野においてもこれらの技術を応用する試みが一部の最先端企業で始まっている。Terraは、このような背景からチューリングが開発した日本初の自動運転向け生成世界モデルとなる。
なお、今回公開したモデルは2024年4月に開発を開始した初期バージョン。今後さらに学習を進めることで、精度や生成速度を向上させ、安全かつ効率的な自動運転開発をより一層加速させていくとしている。

関連サイト
Turing株式会社
《ロボスタ編集部》

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