台湾のテックマンロボット製協働ロボット「TM AI Cobot S Series」が国際セキュリティ認証を取得

IEC 62443-4-2 SL2認証授与式:左がテックマンロボット COOのScott Huang氏、右がDEKRA台湾 マネージングディレクターのAaron Lee氏

台湾の協働ロボットメーカー、テックマンロボット(TECHMAN ROBOT INC.、台湾証券取引所上場:4585)は、同社の「TM AI Cobot S Series」が、産業用制御機器のセキュリティに関する国際規格「IEC 62443-4-2」で、セキュリティレベル2(SL2)の認証を取得したと発表した。

カメラとAIを本体に組み込んだ「ビジョン内蔵型」の協働ロボットである。同製品は、2026年11月25日から愛知県国際展示場で開かれる「ファクトリーイノベーションWeek 名古屋 2026」で紹介される。

ネットワークにつながるロボットに求められるセキュリティ

いまの産業用ロボットは、生産管理システムやデータ基盤とつながり、情報をやり取りしながら動いている。便利になる一方で、ネットワークにつながる機器が増えるほど、外部から侵入される経路も増える。

リリースによると、情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」(組織編)では、「ランサム攻撃による被害」と「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」が、2023年から4年連続で1位・2位を占めている。経済産業省も2022年11月に「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を策定している。

フィジカルAIが製造現場に広がるなか、「見て、考えて、動く」だけでなく、信頼できることが現場で使われる条件になるというのが、テックマンロボットの考え方だ。同社はカメラを本体に組み込んだ協働ロボットから始まり、AIを組み込んだロボットへと知能を進化させてきた。今回の認証は、その進化を支えるサイバーセキュリティの土台を、第三者の評価で裏付けるものと位置づけている。

SL2は「意図的な攻撃」を想定した水準

IEC 62443は、機器が備えるべき攻撃者の強さに応じて、セキュリティレベルを4段階で定めている。SL2からは、「狙って仕掛けてくる相手」がいることを前提にした対策が求められる。TM AI Cobot S Seriesがこの水準を満たしていることを、第三者認証機関のDEKRAが独立して評価した。

レベル

想定する脅威

SL1

偶然の誤操作や、うっかりミス

SL2

一般的な手段・限られた資源による、意図的な攻撃

SL3

制御システムの専門知識を持つ攻撃者による、高度な攻撃

SL4

国家レベルの豊富な資源を使った攻撃

導入する側にとって何が変わるのか

テックマンロボットは、導入側のメリットを3点挙げている。

  • 選ぶとき:メーカーの説明だけでなく、国際規格に基づく第三者の評価結果を判断の根拠にできる

  • 使い続けるあいだ:認証の取得に加えて、脆弱性の管理、インシデントの報告、セキュリティ更新という、導入後の仕組みを整えている

  • 海外と取引するとき:EUでは、ネットワークにつながる製品にセキュリティ対策を求める「サイバーレジリエンス法(CRA)」が2024年12月に発効し、2027年から本格的に適用される。同社はCRAの要件に沿って、これらの仕組みを強化し続けている

認証の概要

規格

IEC 62443-4-2(産業用自動制御システムを構成する機器のセキュリティ要件)

セキュリティレベル

SL2

対象製品

TM AI Cobot S Series

認証機関

DEKRA

認証書の発行日

2026年9月2日

11月25日から名古屋で展示

テックマンロボットは名古屋オフィスを拠点に日本で事業を展開している。2026年11月25日(水)から27日(金)まで愛知県国際展示場で開かれる「ファクトリーイノベーションWeek 名古屋 2026」で、TM AI Cobot S Seriesを紹介する。展示の詳しい内容は、決まり次第案内するとしている。

同社COOのScott Huang氏は、「日本の製造業は、精度や品質、そして安定して動き続けることに、高い基準を持っている。フィジカルAIがネットワークにつながった生産ラインの一部になっていく以上、サイバーセキュリティは、知能や性能と同じ重さで考えるべきものだ。第三者に検証されたセキュリティとともに、『SEE. THINK. ACT.』を実際の製造現場に届けていく」とコメントしている。


ロボスタオンラインセミナー情報

■自民党ロボット議連・山田太郎事務局長が語る『日本のフィジカルAI開発戦略』

日本はフィジカルAIでどう勝つのか。ロボット基盤モデル、VLA、実世界データなどの技術動向から、国家戦略の実行ロードマップまで。技術と政策の両面から読み解く85分間。

ロボスタでは、米PTCでの勤務や製造業向け企業の経営経験を持ち、現在はロボット議員連盟の事務局長としてAIロボティクス政策を推進する参議院議員・山田太郎氏をお招きして、オンラインセミナー「日本はフィジカルAIでどう勝つのか ~ロボット議連・山田太郎事務局長が語る「AIロボティクス戦略」実行フェーズ~」を11月13日(金)に開催します。

【オンラインセミナー#30】日本はフィジカルAIでどう勝つのか ~ロボット議連・山田太郎事務局長が語る「AIロボティクス戦略」実行フェーズ~

日本が強みを持つ産業用ロボットや製造業、部品・制御技術を、ロボット基盤モデルの開発や実世界データの収集・活用にどう結びつけ、国際競争力を高めていくのか。
政府が掲げる「AIロボティクス戦略」、経済産業省の「GENIAC」、国産マルチモーダル基盤モデル開発プロジェクト「FRONTia」などについても掘り下げます。
詳しくはこちら

■Honda「P2」「ASIMO」の開発者、竹中氏が登壇

日本では約30年前から、人と共存するヒューマノイドの研究開発が進められてきました。その象徴的な存在が、Hondaの「P2」と「ASIMO」です。2026年4月には、その歴史的な技術的功績が評価され、「P2」が「IEEEマイルストーン」に認定されました。

ロボスタでは、Honda「P2」「ASIMO」の開発を中核で担った竹中透氏をお招きし、オンラインセミナー「Honda「P2」「ASIMO」が残した軌跡 開発者・竹中透氏が語るヒューマノイドの原点とフィジカルAI時代の未来」を2026年11月25日(水)に開催します。

【オンラインセミナー#31】Honda「P2」「ASIMO」が残した軌跡 開発者・竹中透氏が語るヒューマノイドの原点とフィジカルAI時代の未来

当時のヒューマノイド開発の舞台裏と、そこから生まれた技術や開発思想、試行錯誤やブレークスルーについてお話しいただきます。
また、フィジカルAIによってヒューマノイドが再び世界的な注目を集める中、今後の技術進化や未来展望についても議論します。
詳しくはこちら

■フィジカルAIネイティブ「国産セミヒューマノイド」の全貌

ロボスタ・オンラインセミナーとして、警備・点検などの業務用ロボットを社会実装し、国産セミヒューマノイド「ugo Nova」の開発を進めるugo株式会社の松井健CEOをお招きして「国産セミヒューマノイド「ugo Nova」の全貌 松井CEOが語るフィジカルAI開発戦略と社会実装の最新動向」を、2026年12月15日(火)に開催します。

セミナーでは、ugoの松井健CEOを再びお招きし、「ugo Nova」の開発背景や従来機からの進化・強化ポイント、ロボット基盤モデルの仕組みと開発戦略などについて、具体的に解説していただきます。
また、AIロボット協会(AIRoA)が実施する「国産汎用ロボット開発コンペティション」での改良機開発フェーズへの進出をはじめ、共同プロジェクトの最新動向についても伺います。
詳しくはこちら

《ロボスタ編集部》

関連タグ

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

ニュースレター配信中!無料会員登録をしていただくと、定期的に配信されるニュースレターを受け取ることができます。また会員限定の記事を閲覧することも可能になります。

編集部おすすめの記事

特集