WHILL自動運転サービスがロサンゼルス国際空港とマイアミ国際空港に同時導入 歩行に不安な旅客に快適な移動環境サービスを提供

2050年には60歳以上の人口が21億人に達すると予測され、世界的に高齢化が進んでいるとともに旅行需要が一層旺盛となる中、歩行に困難や不安を抱える旅客に対する高品質なサービスの提供が、空港や航空会社など航空業界における課題であると指摘されている。

一方、こうした方々は急速に増加しており、そのニーズに応えるために各社は試行錯誤している。特に最近は、空港内における車椅子のプッシュサービスの需要増や待ち時間の延長、介助スタッフの身体的負担増などが課題となっており、運営コストの上昇やスタッフ不足に対する解決策の模索が重視されている。

自動運転パーソナルモビリティを使って、目的の搭乗口まで移動することが可能に

こうしたさまざまな課題を解決する1つの策として、WHILL自動運転サービスが米国のロサンゼルス国際空港とマイアミ国際空港で導入されるに至った。台数はそれぞれ10台ずつで、出発エリア内に複数のWHILLステーション(乗り場)が設置されている。

今回運用が開始されたサービスでは、空港の利用客自身のタッチパネル操作で自動運転パーソナルモビリティ(一人用の乗り物)を使って、目的の搭乗口まで移動することが可能。WHILL自動運転サービスに置き換えることで、スタッフの負担軽減だけでなく、安定した移動サービスの提供を通じた、あらゆる利用客の満足度向上にも貢献する。

なお、英国のSKYTRAX社が実施している国際空港評価では、数ある評価部門の一つに、高齢者や障害がある方などにも配慮された施設を評価する「World’s Best PRM(Persons with Reduced Mobilityの略:主に高齢者や障がいがある方、怪我をされた方などを指す)/ Accessible Facilities」が設けられており、移動環境を整備することはその一環として進められ、国内外の空港でWHILL自動運転サービスの採用が広がっている。

WHILLは引き続き、航空業界の各ステークホルダーと密に連携しながら、WHILL自動運転サービスのグローバル展開を通じ、世界中の旅客の移動利便性を向上させることを目指すとしている。

各社コメント

アメリカン航空グループロサンゼルス空港ハブおよび西部地域担当 兼 副社長 Deesha Desai氏

アメリカン航空では乗客の利便性と安全性を確保することを最優先事項にしています。ロサンゼルス国際空港、アメリカン航空、そしてWHILL社が協力して乗客の声に耳を傾けることで空港での移動のニーズに応えることができたことを嬉しく思います。


WHILLモビリティサービス 北米事業開発担当 兼 副社長 Shane Bogni氏

アメリカン航空の最も忙しいハブ空港であるロサンゼルス国際空港 とマイアミ国際空港に、最先端の移動テクノロジーとイノベーションを提供できることを嬉しく思います。当社の自動運転サービスで、歩行や移動に不安や困難を抱えるお客様の移動利便性の向上、待ち時間の短縮、空港におけるお客様満足度向上を提供できるよう努めてまいります。


WHILL社のサービス展開


WHILL社では、日常的なウィルの利用はもちろん、WHILL自動運転サービスのような事業をはじめ、普段は使わないけれど一時的・短期的にウィルを使いたいといったニーズに応えるため、包括的にさまざまな近距離移動サービスを展開。国内外の観光客が日本を旅行する際には、滞在期間中の快適な移動体験を提案するためWHILL日額レンタルサービスを用意しており、昨今の旅行需要増を受け、予約件数も増えているとのことだ。

WHILL自動運転モデルについて


WHILL自動運転モデルは、自動運転・自動停止機能などを搭載したモデルで、広い施設内の特定の目的地まで自動走行で移動できます。あらかじめ収集した地図情報と、センサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせながら自動走行し、降車後は無人走行で元の場所に返却される。

WHILL自動運転サービスは現在、羽田空港、関西国際空港、成田国際空港、カナダのウィニペグ空港で導入されているとともに、国内の病院でも活用が広がっている。

関連サイト
WHILL株式会社

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