等身大バーチャルアバターで働く機会を創出 遠隔接客サービス事業に参画 愛媛デジタル女子プロジェクト
愛媛の女性の働きづらさをデジタルの活用で解消することを目指す愛媛デジタル女子プロジェクトは、遠隔接客サービス「Monolis」を開発・提供する三五屋のバーチャルアバター事業に参画したことを明らかにした。
今回の参画により、新しい形での働きづらさの解消が促進されることを期待するとしている。
遠隔接客サービス「Monolis」とは?
「Monolis」とはバーチャルアバターを使って遠隔地からから音声や映像などを使い、コミュニケーションを図るシステム。インターネットがあれば活動できるので活動拠点の制限はなく、自宅からも活動でき、言葉でコミュニケーションできればであれば誰でも活躍することが可能となっている。
このシステムを使うことで、今まで活躍したくてもできない人達が活躍することができ、販売員や説明係などとして、遠隔地からリモートで利用客の顔を見ながらリアルタイムに接客することが可能となる。
「Monolis」の開発により、子育て中など外出することが難しい場合でも、自宅にいながら遠隔で接客業務に携わることが可能なため、現在様々なシーンでの実証実験を各地で実施している。
実施の背景について
国が進める「デジタル田園都市国家構想」により、日本全国に安定したデジタル通信網が整備される。インターネット回線を使うことで、地方と都市が結びつき「距離感0」でコミュニケーションが図る事ができ、移動時間・コストが不要になり、その分時間の有効利用が可能となる。
2.子育て中、介護中で働きたい方の人材活用が可能
3.移動する必要がないのでコストが軽減
出産後の就業継続の意向についてパーソル総合研究所が行った調査(パーソル総合研究所「ワーキングマザー調査」)によると、育児期に離職した正社員女性の約6割が、出産後も働き続けたいと思っていたことが明らかとなった。女性の就業継続率を高めるためには、子育てをしながら柔軟に働けるような仕組みづくりを行うことが必要だと言える。
また、バーチャルアバターロボットを導入する企業などにとっても企業イメージの向上・人材不足の改善・働き方改革へと繋がる。また、少子高齢化による人材不足解消や働き方改革、地方創生など場所と時間を超越することができるMonolisなら解決可能としている。
Monolisのこれまで
「Monolis」の試行錯誤の段階は、2021年に始まった。
最初は等身大アバターを使ってライブハウスでバンドメンバーと一緒にステージに立ちたいという希望を叶えるところからスタートし、その後、販売員や街頭演説、イベントの司会、案内係などアバターが人として活動する機会を提供。2022年度は、ロボットメーカーと一緒に動き回れるアバターロボットを開発し、主に企業PRや集客の切り札として多くの人を集めることができた。
2024年2月にオリジナル等身大アバターロボットが完成。自律走行が可能で「自らお客様に近づいて積極的コミュニケーションをとる」ことが可能となった。
他社アバターとの違い
他社のアバターとは異なり、AIを使用せず個性・人格をもつアバターを使うことで人が活躍できる場所づくりを目指している。
2.アニメ調キャラクターを使うので、誰もが気軽に接することができ、制服や季節に応じた服装に着替えることも可能。世界から注目度の高いアニメ調なのでアイキャッチにもなる
3.自ら動けるので積極的な声がけができ、スムーズな告知やサービスを提供できる
数多くのシーンで実証実験を実施
Monolisを使って様々な実証実験に参加し、アバターによるコミュニケーションの有効性を確認してきており、その結果、人が販売するよりもアバターが販売するほうが売上が多かったり注目度が高かったりと効果は大きく、アバターコミュニケーションは人と代わる手段として有効だという結果を得られた。
また、アバターを操作する側は、プライバシーが守られ、新しい活躍出来る場所を得る事ができるとしている。
実証実験での声一例
・車椅子での生活なので、このロボットを使い働くことの可能性を感じた。
・普段、県外に出ることがあまりなかったので他府県の方と話しする機会があって良かった!
今後の展望
アバター接客の多くは、1人が複数の店舗を管理できるので人件費などのコスト削減を目的としているが、「Monolis」は人を活躍させるところに主眼をおいている。一人に1アバターが理想で人=アバターとして、自分の分身として人格や個性を持ったアバターを使うことでより多くの方が活躍できると考いる。
子育てや介護中でまとまった時間が作れず働けない人や家から出にくい方などが働く事が可能になり、モニター越しに対応するので実際の対面コミュニケーションではストレスを感じる方などにでも活躍する機会を得ることができるとしている。
バーチャルアバターが接客するお弁当屋さんがオープン
Monolisを使った等身大アバターが接客販売を行うお弁当屋さん「伊予乃おこわ」(松山市二番町3-3-8)が愛媛県松山市内にオープンした。今後は接客体験会などを実施して共に「誰もが自由に活躍できる社会創り」を目指すとしている。
バーチャル店員がオススメ商品を紹介!Hondaグループの無人社内売店にkiwamiオリジナルアバター「xR Cast」導入
自動運転バス時代の車掌はAIアバターが担当?AI音声対話アバター「AI車掌」導入、2024年度中にレベル4を実現へ 北海道上士幌町
アバターの社会進出について議論「サイバネティック・ビーイング・シンポジウム2024」開催へ 慶應大 南澤教授ら登壇 ムーンショット型研究開発
アバターの社会進出について議論「サイバネティック・ビーイング・シンポジウム2024」開催へ 慶應大 南澤教授ら登壇 ムーンショット型研究開発
石黒浩氏CEOのAVITA 阪急阪神不動産の新施設にアバター接客「AVACOM」を導入 阪急大阪 梅田駅2階「阪急阪神MEETS」