ティアフォーやNEC等の5者、豊見城市で「レベル4 自動運転バス」社会実装で包括連携協定 2024年度中の実証開始へ

豊見城市、第一交通産業、電脳交通、ティアフォー、日本電気(NEC)は、沖縄県豊見城市(とみぐすく-し)における交通課題の解決に向けて、自動運転バスに関する包括連携協定を締結した。

5者の連携により、現在運行する豊見城市の市内一周バスにおいて自動運転バスのレベル4による運行を実現し、豊見城市における公共交通手段の確保や、公共交通の利便性向上による地域活性化を目指す。

(左から)電脳交通の近藤社長、NECの井手Corporate SVP、豊見城市の徳元市長、琉球バス交通(第一交通グループ)の小川社長、ティアフォーの藤居執行役員


全国的にバス路線が減少、利便性確保が課題

少子高齢化に伴う運転手不足により全国的にバス路線が減少し、地域公共交通の利便性確保が課題となっている。沖縄県豊見城市でも、交通基本計画の中で「誰もが使いやすい公共交通ネットワークの形成」を基本方針の1つとして掲げ、学生や高齢者等の公共交通手段の確保や、公共交通の利便性向上による地域活性化に取り組んでいる。

一方、サステナブルな地域交通の実現に向け、各地で自動運転バス等のモビリティ技術活用の検討が進んでおり、第一交通、電脳交通、NECは2024年3月に自動運転技術における業務提携に関する基本合意書を締結した。(当時のプレスリリース:https://jpn.nec.com/press/202403/20240313_01.html)



自動運転バスの「レベル4」運行実現に向けて

さらに5月には、豊見城市、第一交通、電脳交通、NECと、自動運転バス車両および自動運転に関連する技術を有するティアフォーは、豊見城市における自動運転バスの「レベル4」運行実現に向けて包括連携協定を締結した(「レベル4」は地域や場所、天候、速度などの特定条件下で、車の自動運転システムが運転士に替わって運転を行うこと)。

5者は、自動運転サービスの実装に向けて、2024年度の国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業」(国交省事業)へ申請準備を進める。また、2024年度内に豊見城市市内一周バス(105番)の一部を自動運転バスで運行する実証実験を行う予定。

将来的には、運転手不足という課題の解決と同時に、豊見城市の地域住民および観光客を対象に、長期的に安全・安心の自動運転バスサービスを提供できるよう取り組みを進める考え。


2024年度の実証実験における使用車両

ティアフォーの自動運転バス車両「TIER IV Minibus」を使用予定。




2024年度の実証実験における運行ルート

第一交通産業グループの株式会社琉球バス交通が運営する、豊見城市市内一周バス(105番)の一部を対象路線として検討中。


予定運行ルート(一部抜粋):豊崎美らSUNビーチ前~道の駅豊崎~アウトレットモールあしびなー前~豊見城市役所前~総合公園前~豊見城南高校前~豊崎美らSUNビーチ前 (注2)
注2:一部区間に手動走行を含む


各社の役割分担

豊見城市
自動運転の社会実装に向けた全体総括、地域コミッティ設置運営など

第一交通
自動運転バスの役務提供、将来的な自動運転事業の運営等など

電脳交通
自動運転車両の遠隔監視者の提供など

ティアフォー
自動運転車両およびシステム等 自動運転に関する技術情報の提供

NEC
全体の事業企画・推進、自動運転サービスプラットフォームの提供など

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ロボスタ編集部

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