音声のAI学習用データを管理し、追跡を可能にする世界初のフェアトレードシステムの構築を目的として、一般社団法人「日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS:アイラス)」が設立された。
AI生成音声をビジネスで正しく活用するフェアトレードの実現へ
昨今、機械学習技術の急激な進化によってAIの具体的な利活用が進んでいる。これまでは人間にしか実現できなかったことが、AIにできることが増えたことによって、多くの人に恩恵をもたらし始めている。その一方で、加速度的な進化により、AIの開発利用にまつわる様々なルールや法整備が追い付いていないことが顕在化してきた。
また昨今、実在する有名な実演家やキャラクターそっくりの音声を生成できる音声AIが登場し、SNSを賑わすことが増えたことから、AIに対する議論も活発に行われている。(関連記事「人気声優・梶裕貴の声で自由に喋らせるソフトを3日間限定で先行受注販売 「無断AIカバー」に対抗し二次創作に新たな風を」)
このような状況下、音声AIの課題に詳しい有識者で議論をする中で「日本で培われ進化をしてきた独自のコンテンツ産業の文化的価値が、AIの無秩序な開発、活用により棄損することを防ぐための「フェアトレードステム」を構築・運用し、多くのクリエーターとAIの共存共栄を実現するための活動を行う」ことが必要であるという結論から「日本音声AI学習データ認証サービス機構 (通称AILAS)」を設立するに至った。
AILASが目指すのは有名な実演家やキャラクターの権利を守りつつ、そっくりの音声をビジネスで正しく活用できるようにするフェアトレードシステムの実現。多くの関係者にとって、AI全体の課題解決の一歩となることを目指す。
AILASの活動概要
AI音声のフェアトレードを行うためのルールを作成し、システムの構築、認定証を発行することを目指す社団法人。
計画中の事業概要:
・録音音源のAI利用をトラッキングできる仕組みの提案、開発と運用
・音声AI著作権関連情報の調査、収集、分析、報告
・AILAS登録認証ラベルの登録/管理と認証ラベルの発行
・AILAS登録認証ラベル発行情報の会員への公開
AILAS代表理事 倉田 宜典氏のコメント
倉田 宜典氏
AIの進化は以前より予測はされていました。しかしながら昨今の進化は多くの人の予想を上回っているため、様々な影響が具現化してきています。私たちAILASはAIの普及を「推進する」/「反対する」ということを行う団体ではありません。また、利益を追求する団体でもありません。私たちが目指すのは「現在起きている課題を理解し、整理し、可視化することを通じて異なる思いを持った人たちがお互いのことを理解しやすくするための基盤を整える」ことです。この活動を推進することで、日本のコンテンツ文化の発展に寄与できるよう尽力して参ります。
名称 :日本音声AI学習データ認証サービス機構(AILAS)」
登記日 :登記手続き中
代表理事:倉田 宜典氏
理事 :浅見敬氏、伊澤元泰氏
所在地 :東京都渋谷区渋谷3丁目5-16 渋谷3丁目スクエアビル2F
URL :https://www.ailas.or.jp