愛知県の愛・地球博記念公園内に「ジブリパーク」の制作現場を指揮した宮崎吾朗監督の仕事と作品がスタジオジブリの世界観とともにたっぷり楽しめる『ジブリパークとジブリ展』東京会場がオープンした。(© Studio Ghibli)
期間は2024年6月28日(金)~9月23日(月・祝)、場所は東京・天王洲の寺田倉庫 B&C HALL/E HALL。
『ジブリパークとジブリ展』という名称からわかるとおり、今回のテーマの主役のひとつは愛知県にあるジブリパーク。
ジブリパークは長く親しまれてきた公園「モリコロパーク」の歴史や環境を大切にしながら、ジブリ作品に登場したシーンをモチーフにして「青春の丘」「どんどこ森」「もののけの里」「魔女の谷」、そして「ジブリの大倉庫」の5つのエリアから構成されているテーマパークだ。
「なかなか愛知県のジブリパークまで足を運べない」「行ったことはあるけれどもう一度あの世界観を体感したい」という人のために、ジブリパークが日本全国を回ってくれる、そんな感じの展示内容となっている。実際に『ジブリパークとジブリ展』は長野、愛知、熊本、神戸、山口など、すでに7箇所を回ってきて、いよいよ東京会場が公開となった。(この後は青森と岡山を予定)
ロボスタ編集部も初日にさっそく観に行ってきた。見どころとチェックしたいグッズなどを紹介したい。
座り心地が最高のネコバスに乗ろう
入口から入って最初に目にするのは、スタジオジブリ作品のポスター群。数々の名作の印象的なシーンや音楽が頭の中で蘇る。
ポスター群の先には「ネコバス」が「トトロ」と並んで登場。
なんといってもこのネコバス、大人も中に入って座席に腰掛けることができる。この座り心地がほんとに気持ちいい。ぜひ体験しよう!
「三鷹の森ジブリ美術館」や「サツキとメイの家」など建築物を生み出した吾朗監督
ジブリパークがどのように生み出されてきたのか、その原点となる「三鷹の森ジブリ美術館」から振り返って、構想・企画など、宮崎吾朗監督の思いがたっぷり詰まった資料たちを観覧しながら進む。
中でも見どころのひとつは「サツキとメイの家」。「サツキとメイの家」は2005年に開催された「愛・地球博」のパビリオンのひとつとして、本当に人が住める家というスタジオジブリの発案のもとに建設されたもの。
ジブリパークでは改修しながら今でも健在、この『ジブリパークとジブリ展』ではそのミニチュア1/5模型が展示されている。
『アーヤと魔女』3DCG制作の裏側に迫る
宮崎吾朗監督の作品と言えば『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』など。これらの作品の設定資料を見ながら世界観を楽しむことができる。
特に『アーヤと魔女』は特別にコーナーが設けられていて、3DCG制作の裏側、制作の手順、ソフトウェアに関する解説など細かく解説され、実際にCGの動きを体験できるコーナーまで用意されている。作品のファンだけでなく、3D制作やアニメ制作を目指しているクリエイターにも参考になる展示が多数ある。
イメージボードや設定資料など、細部に至るまで丁寧に描かれた1枚1枚から、温度やリアリティが感じられ、アニメーション映画の制作過程が体感できる。
2021年1月~3月まで「三鷹の森ジブリ美術館」でスタッフによって上演された『アーヤと魔女』人形劇で使用した人形達の展示もある。「三鷹の森ジブリ美術館」の上演時は、人形劇の経験がある吾朗監督が指導したという。舞台の近くまで寄って人形を見ることができる。
ジブリパークの見どころがミニチュアになって大集合
吾朗監督が手がけるジブリパーク。様々なエリアを代表する建造物等がミニチュアとして展示され、裏側のエピソードとともに楽しむことができる。
「青春の丘」から、「猫の事務所」にはバロンとムタのFRP原型展示!
「天空の庭」に佇む、ラピュタに登場したロボット兵には思い入れの強いロボスタ読者も多いのでは・・?。
スタジオジブリがある東京都小金井市の少し昔の風景をモデルにした「子どもの街」も。
公園内で里山づくりに取り組む区域の隣に作られた「もののけの里」。「もののけ姫」に登場した「乙事主」(おっことぬし)の滑り台の造形検討用模型や「タタリ神」のオブジェなどがあって見ごたえ満点。
魔女の口 1/20スケール模型も。これは小さくてもちょっと怖い・・
「魔女の谷」で必見はやっぱりド迫力の「ハウルの城」。銅板やアルミなどで覆われた外壁、今にも蒸気を吐き出しながら動き出しそう。
そのほか、「ハウルの城」のバスタブやパジャマのトワルもお見逃しなく。
見どころは他にもたくさん。展示ひとつひとつを、来場者それぞれのペースで眺められるのが「ジブリパークとジブリ展」の魅力のひとつ。じっくり体験、体感しながらジブリと吾朗監督の世界観を楽しんで欲しい。
グッズ物販も充実
たっぷり展示を楽しんだ後、最終のお楽しみはやっぱりグッズ販売。「ジブリパークとジブリ展」限定や、東京会場限定商品もあるので、好きなキャラクターの買い物を楽しみたい。
■動画「ジブリパークとジブリ展」東京のレポート
「ジブリパークとジブリ展」東京天王州で6月に開催!人気キャラ達も立体展示 隣接の水上施設では「昭和食堂船」もオープン
ジブリパークが新CM「ゆっくりきて下さい。動く城編」(宮崎駿/演出・原画)を公開 3月16日開園の新エリア「魔女の谷」の画像も公開
ジブリパークに新エリア「魔女の谷」来春(2024年春)追加!ハウルの城やキキと黒猫ジジのパン屋など見どころ満載 チケットは新形式に変更に
トヨタの「ネコバス」が走る!乗りたい!愛・地球博記念公園でトヨタ・MONET・愛知県・ジブリ・豊栄が協力 最高時速は19km
写真で見るジブリパーク【2】どんどこ森、地球屋、ジブリの大倉庫「オリヲン座」、3つの企画展示を紹介
写真で見るジブリパーク【1】「ジブリパーク」開園!オープニングセレモニー開催 「ジブリの大倉庫」-ジブリがいっぱい
ABOUT THE AUTHOR /
神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。