モーションリブは、リアルハプティクス(力触覚)とクラウド技術などを活用した感触・動作クラウドプラットフォームをトヨタ紡織と共同開発したことを発表した。
このプラットフォームを用いることで、クラウド上に展開された力触覚情報にインターネット回線からアクセスし、場所を問わず力触覚の伝送・データ化・編集などが可能となる。
今回開発された技術を使うと、遠く離れた家族や友人とも触れ合える感覚を得ることができる。孤独感やストレスを軽減し、心の健康をサポートする効果が期待される。また、地理的な距離が障壁にならないことで、高齢者や障害を持つ人々など移動が困難な人にとっても有益になる可能性があり、個人だけでなく社会全体のウェルビーイングに貢献できる。
横浜市と豊田市を結ぶ5Gネットワークで力触覚伝送の実証実験に成功
モーションリブとトヨタ紡織は今回開発したプラットフォームをトヨタ紡織が持つリラックスシート「Remote Touch Therapy」に搭載し、5Gネットワークを通して横浜市と豊田市間での力触覚伝送とそのコンテンツ化を行う実証実験を行った。
その結果、リアルタイムかつ高精細な力触覚伝送に成功し、離れた場所にいる人同士があたかも同じ空間にいるかのような感覚を共有できることを実証することができた。
実証実験では横浜市内の拠点から豊田市内の拠点にいる対象者に「優しく肩をさする」などのタッチセラピーを行い、肩の感触などを感じながら、セラピー体験を実現できることを確認。また、それらの動作はプラットフォームを通じてデータ化し、データ化された力触覚コンテンツは操作者がいなくても再現可能であることを実証することができた。
力触覚リアルハプティクスとクラウド技術を組み合わせたプラットフォームを開発
従来、リアルハプティクスによる高品質な力触覚伝送には特殊な環境構築を必要としていたが、今回両社は、リアルハプティクスとクラウド技術やリアルタイム通信技術を組み合わせることで感触・動作クラウドプラットフォームを共同開発し、離れた場所にいる人同士が力触覚を通じて相互に働きかけ、そこで得られた力触覚情報をデータ化し、コンテンツ化することを可能にした。
本プラットフォームを用いることで、クラウド上に展開された力触覚情報にインターネット回線からアクセスすることが可能となり、どこからでも力触覚の伝送・データ化・編集などが可能となる。例えば、製造業などにおいて熟練技術が必要な作業の自動化を行う際の基盤として活用することも可能だ。
今後の展開
モーションリブでは現在、取得されたデータを活用した仮想空間でのシミュレーションやAIによる動作生成などを開発をしている。リアルハプティクスと仮想化技術を組み合わせ、様々なロボットがインターネットやコンピュータリソースを通じて行為(Action)を蓄積し、多種多様なニーズに対応することができるコンテンツを生成する「IoA(Internet of Actions)プラットフォーム」の実現を目指している。
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