MEMSが自動搬送ロボット「MELDY」で年間1,368時間の削減効果を検証 医療スタッフ負荷軽減の実証実験

メルコモビリティーソリューションズは、2024年5月27日~2024年12月末日まで、聖マリアンナ医科大学病院にて、医療現場における「医師の働き方改革」や「2025年問題」などの社会的課題に対応するための実証実験を行っている。

この実証実験では、メルコモビリティーソリューションズが取扱う病院向け搬送ロボット「MELDY」を用いて、医療従事者の負荷軽減に関する効果を検証している。

実証実験の目的

実証実験の概要
期間 2024年5月27日~2024年12月末日
場所 聖マリアンナ医科大学病院
対象業務 集中治療エリア向けの薬剤搬送業務
使用ロボット 搬送ロボット「MELDY」2台
運用形式 平日、日中稼働


自動搬送ロボット「MELDY」の特徴

病院内を安全に自律走行できる搬送ロボット。
エレベーターや入退室管理システムと連携し、自律的な縦横移動が可能であり、荷物室の施錠・解錠は職員カードとの連携も可能なため、高いセキュリティ性を確保している。

主な特徴
1:一度に大容量の荷物を搬送可能(最大210L、30kgに対応)
2:床面ライティング表示で視覚的にもロボットの動作をお知らせ可能
3:オンプレサーバを利用することでロボットの稼働状況、職員情報を院内で保存可能


走行中 一時停止

荷室

エレベーター待機中

実証実験によって期待できる効果

医師の働き方改革への対応。
2024年4月よりスタートして「医師の働き方改革」による残業時間の上限(年間960時間)を踏まえ、MELDYの活用により、医師やその他の有資格者のタスクシフトを促進し、業務時間の削減に貢献できるかを検証する。

2025年問題における人材確保の支援

2025年には日本の総人口の約1/4が後期高齢者になることが見込まれており、医療需要の増加と労働人口の減少が課題となります。MELDYが搬送業務を担うことで、医療現場における人手不足の解消をサポートできるかを確認する。

期待される時間削減効果

過去の実証実験より、MELDYの導入により1日あたり約3.5時間、年間では約1,368時間の削減が期待されている。

過去の実証実験

フェーズ1

ユースケース 集中治療エリア向け搬送
運用形式 2台、平日、日中稼働
時期 2023年12月6日~12月19日



フェーズ2

ユースケース 集中治療エリア・一般病棟向け搬送
運用形式 2台、平日、日中稼働
時期 2024年1月11日~1月24日



フェーズ3

ユースケース 集中治療エリア・一般病棟向け搬送
運用形式 2台、平日・土日祝、日中稼働
時期 2024年2月20日~2月29日



フェーズ4

ユースケース 集中治療エリア向け搬送
運用形式 2台、平日、日中稼働
時期 2024年3月13日~3月15日


実証実験の進捗と関係者コメント

実証実験は順調に進行しており、聖マリアンナ医科大学病院薬剤部のスタッフからは以下のようなコメントが寄せられている。

聖マリアンナ医科大学病院 薬剤部 薬剤師のコメント

当院では新病院への移転後、調剤業務は機械化が進んでいる一方で、薬剤の搬送は依然として人が行っており、負担となっていました。MELDYを試験的に運用した結果、職員による薬剤搬送時間が短縮され(実証データ解析中)、日中業務の効率化が見込まれます。将来的には、休日にもMELDYが稼働することで、さらなる搬送業務の負担が軽減されることを期待しています。


今後の展望

メルコモビリティーソリューションズは、今後も医療現場における搬送業務の自動化を推進し、医療従事者の業務負担軽減と医療サービスの質の向上を目指すとしており、本実証実験の結果をもとにさらなる改良を加え、将来的な全国展開を視野に入れて活動を進めてるとしている。

ABOUT THE AUTHOR / 

ロボスタ編集部

ロボスタ編集部では、ロボット業界の最新ニュースや最新レポートなどをお届けします。是非ご注目ください。

PR

連載・コラム