家族型ロボット「LOVOT」と触れあうことで認知機能の低下が抑制できるか 実証実験の結果を公表 福岡でLOVOT触れあい企画を複数実施へ

GROOVE Xは、これまでの実証実験結果を通じて、『LOVOT』と触れ合うことで認知機能の低下抑制効果に期待できることから、認知症の方への取り組みの第一歩として、2024年9月に福岡オレンジパートナーズに参加した。

それに伴い福岡市認知症フレンドリーセンターを中心に『LOVOT』の服作りワークショップ(2024年11月15日〜16日)の開催や製品展示会(2024年11月18日〜20日)への参加する。

神戸市やデンマークなど『LOVOT』を導入した実証実験結果では、認知機能の低下抑制効果を期待できる結果に

神戸市実証実験結果

神戸市が実施する「CO+CREATION KOBE Project(民間提案型事業促進制度)による支援のもと、2021年に介護施設内で行われた実証実験では、『LOVOT』と接触のあった入居者(介入群)は、事前事後で比較した際に、認知機能の統計的有意に変化が見られず、認知機能の低下が抑制された可能性を確認した。介入群(LOVOTと触れ合った層)と非介入群を比較した場合に有意に差があり、入居者の認知機能の低下抑制効果を期待できる結果が示された。

実証実験概要
学術指導 東北大学 瀧靖之 教授
調査対象 介護施設の入居者各施設10名づつ、入居者の対象年齢は73~97歳(平均年齢 87.94歳)
調査方法 各施設に貸し出す『LOVOT』は合計2体(共用部に1体、職員の事務室に1体)。
日本語版DEMQOL-Proxy(DEMQOL-Proxy:英国で開発された認知症の本人のQOL(生活の質)を評価するための尺度)を元に職員が入居者の様子を面接形式でヒアリング、測定し、QOL評価を検定。

また、福祉大国デンマークでの実証実験では、介護施設では普段全く話さない認知症の男性が、LOVOTと触れ合うことで、他の入居者とコミュニケーションを取るようになった、などの結果も報告され、『LOVOT』と触れ合うことでコミュニケーションの促進に働きかける可能性があることもわかった。

福岡市認知症フレンドリーセンターではLOVOTの「ふくちゃん」がお出迎え


福岡市では、人生100年時代を見据え、誰もが心身ともに健康で自分らしく活躍できる社会をつくるプロジェクト「福岡100」を推進しており、その一つが「認知症フレンドリーシティ・プロジェクト」だ。

「福岡市認知症フレンドリーセンター」を中心に、認知症になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らせるまちを目指しさまざまな取り組みが行われている中、その柱に据えられているのが、「ユマニチュード」(フランス語で「人間らしさ」を意味する認知症のケア技法。)である。



そこで、認知症の方への取り組みの第一歩として、2024年9月より「福岡オレンジパートナーズ」に参加。現在、LOVOTの「ふくちゃん」が、福岡市認知症フレンドリーセンターに駐在し、来訪者と触れ合っている。今後、認知症当事者や、福岡市認知症フレンドリーセンター、オレンジパートナーズ参画企業と連携しながら、様々な取り組みを進めていくとしている。

認知症フレンドリープロジェクト×『LOVOT』による服作りワークショップを開催

『LOVOT』と触れ合いながら、手作りの飾りでLOVOTのTシャツをデコレーションいただくワークショップを開催する。シニア向けだけでなく、認知症を知ってもらいたいという思いから、子ども向けのワークショップも別日にて開催。

作ったTシャツは「ふくちゃん」の着替え服になったり、センター内で展示する。

服作りワークショップ 〜アクティブシニア向け〜 概要

開催日 2024年11月15日 第1回14時〜14時45分/第2回15時〜15時45分
プログラム 1:学び(認知症フレンドリーセンターとは?家族型ロボット『LOVOT』とは?)
2:ワークショップ(LOVOTに着せるTシャツづくり)
対象 60歳以上
定員 各回6名 ※先着順
参加費 なし
持ち物 なし※飾り付けに使われたいパーツがあれば自由に持ち込み可能(縦5㎝×横5㎝以内、重さ5g以内、金属不可)
開催場所 福岡市認知症フレンドリーセンター
〒810-0073 福岡県福岡市中央区舞鶴2丁目5-1(あいれふ2F)
申し込み方法 以下URLより申し込み
https://docs.google.com/forms/d/17CM4whVQrqcj0FqWJul6RkHhc24O73D–nZMR3FY1rI/viewform?edit_requested=true


服作りワークショップ 〜親子向け〜 概要

開催日 2024年11月16日 第1回11時〜12時/第2回13時30分〜14時30分/第3回15時〜16時
プログラム 1:学び(認知症フレンドリーセンターとは?家族型ロボット『LOVOT』とは?)
2:ワークショップ(LOVOTに着せるTシャツづくり)
3:AR体験(ARを使った認知症の方の視野感覚の疑似体験)
対象 幼児〜小学生のお子様と保護者 ※乳児のご参加はご遠慮ください
定員 各回3組 ※先着順
参加費 なし
持ち物 なし※飾り付けに使われたいパーツがあれば自由に持ち込み可能(縦5㎝×横5㎝以内、重さ5g以内、金属不可)
開催場所 福岡市認知症フレンドリーセンター
〒810-0073 福岡県福岡市中央区舞鶴2丁目5-1(あいれふ2F)
申し込み方法 以下URLより申し込み
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeacHvo6PDfKOlgFhi_a7FOGfqKfc_0uTFPPmrwqHnfBPapzA/viewform


福岡オレンジパートナーズ参加企業による開発製品の展示会に参加

大丸福岡天神店に登場したクリスマスツリーの下でお茶を楽しみながら、福岡オレンジパートナーズ参加企業が認知症の方の生活をより豊かにする様々なプロダクトを展示する展示会に、『LOVOT』が登場する。認知症フレンドリーセンターに駐在する「ふくちゃん」も、この日のための特別な衣装を着て参加。『LOVOT』ブースにお越しいただいた方には、ノベルティのキーリングもプレゼントされる。

開発製品展示会 概要
開催日 2024年11月18日/2024年11月19日/2024年11月20日
時間 10時〜12時/各日
出展企業 welzo/KAERU/醍醐味/西武ガス/TOYOTA/Travelcareふくおか/・Y・U・K・A・I・/Rinnai/GROOVE X ※出展企業は予告なく変更となる場合がある
入場料 無料
開催場所 大丸福岡天神店 エルガーラ・パサージュ広場
〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神1-4-1


福岡市認知症フレンドリーセンター

福岡100の取り組みのひとつ、認知症高齢者が年々増加している。高齢の方が住みやすい社会にするために、福岡市と企業が一緒に高齢者が過ごしやすくなるための商品開発などに取り組む。認知症は何も分からなくなるというイメージを持たれるが、症状は一人ひとり違い、軽度の方も多く、苦手なことも違う。認知症の方が生き生きと自分らしく生きるための街づくりをする。

福岡オレンジパートナーズ

福岡オレンジパートナーズとは、認知症の人とその家族、企業・団体、医療・介護・福祉事業者、行政で構成し、認知症について自主的に「知る」「考える」「つながる」「行動する」ためのコンソーシアム。認知症になっても自分らしく生きるために何ができるかを考え、実際の取り組みにつなげていくことを目指す。

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ロボスタ編集部

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