関西医科大学とテムザックが「医療面接トレーニング用ヒューマノイド」生成AI対応の会話ロボットを共同開発

学校法人 関西医科大学 教育センター長・教授 西屋 克己氏と、株式会社テムザックは、医療面接をトレーニングするための、「医療面接ロボット」(プロトタイプ)を開発した。このロボットは、医療面接のトレーニングに実践的に使うことができる生成AIを搭載したヒューマノイド。医療現場で必要とされる医療面接の技法やコミュニケーションスキルの向上を目指す。検証と改良を経て、2025年夏頃に製品版を発売する予定。





生成AI搭載 ヒューマノイド「医療面接ロボット」

「医療面接ロボット」(プロトタイプ)は、生成AIを活用して様々な患者への対応を学ぶことができる人型ロボット。患者と医師が対話することで信頼関係を築き、正確な診断をくだすために行われる「医療面接」を訓練することができる。

【POINT】
生成AI搭載:
医療面接における対話を適切に判断しスムーズなコミュニケーションを生成。

臨場感のあるトレーニング:
本物の人間のようなビジュアルと動きで、臨床に近い臨場感を演出。

多言語対応:
日本語だけでなく英語など57言語でのトレーニングが可能で、国際的な医療面接にも対応。

フィードバック機能:
聞くべき項目が聞けたか、確認できる機能を搭載し、トレーニングの効果を一目で把握できる。

コミュニケーションスキルの向上:
医師に必要な対話スキルを強化し、患者さんとの信頼関係を築く手助けをする。

■ 医療面接ロボット紹介動画:


各社の役割

関西医科大学
 医学的内容に関する監修

テムザック
 ロボットの開発・製造


リアルな患者型シミュレータロボット

「医療面接」は、患者と医師が信頼関係を築き、正確な診断を行うためのもので、患者との良好なコミュニケーションを通じて、主訴や現病歴、既往歴、家族歴などを医師が患者に尋ねて情報収集する。しかし、ロボットタイプの医療面接シミュレータはなく、臨床現場を想定したシミュレーションは十分にできなかった。
そこでこの度、テムザックが約10年前から手掛けてきたリアルな患者型シミュレータロボットの技術を基に、生成AIを搭載し、医療面接トレーニング用ロボットの開発に至った。このロボットにより、医療面接を、臨床現場に近い形で繰り返しトレーニングできる環境が整う、としている。


今後の展望

関西医科大学とテムザックは、検証と改良を経て、2025年夏頃に製品版を発売する予定。この医療面接ロボットは、医療現場における教育とトレーニングの新たなスタンダードとなることを目指す。

また、「状況設定を自由自在に変更できる」という特徴を生かし、今回の医療分野を皮切りとして、今後、様々なバリエーションのAI搭載ヒューマノイドとして展開する予定。


詳細・スペック



使用例





関西医科大学 教育センターの西屋克己教授(センター長)のコメント

西屋克己氏

近年、様々な臨床手技のシミュレータが開発され、医学教育の現場ではシミュレータを活用した臨床技能トレーニングが実施されています。しかし、医療面接においては、臨床現場を再現したロボット型のシミュレータはなく、模擬患者やパソコンを活用した医療面接トレーニングを行なってきました。今回開発した「医療面接ロボット」は、生成AIを搭載したヒューマノイドであり、より臨床現場を再現したものとなっており、効果的な医療面接トレーニングを可能とします。また、様々なシナリオを設定することが可能であり、医療面接のみならず、患者さんとの会話が必要となる様々なシーンを再現できることが期待されます。

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ロボスタ編集部

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