
inahoは、自律型トマト収穫ロボットの最新モデルを発表した。発表された新型モデルの自動収穫ロボットは、今夏、施設園芸先進国であるオランダの提携圃場にて実地テストの実施を予定している。また、今後の展開を更に加速すべく、技術職の採用も強化している。
農業界が抱える課題
農業界では、気候変動リスクの高まりに伴い、ハウス栽培への需要が世界的に拡大している。しかし、ハウス栽培は作業の機械化率が低く、人手不足や人件費高騰が事業の存続に直結する課題となっている。中でもトマトなどの選択収穫作物では、収穫作業が総作業時間の半数を占め、省力化のインパクトが大きい領域とされている。
近年、オランダを中心に人件費高騰を背景に収穫ロボットの導入が進んでいるが、日本では人件費の低さや栽培環境の規格化の遅れから導入が進みにくい状況が続いており、今後日本農業の持続可能性を高めるためには、コスト競争力のあるロボット開発と、機械化を前提とした栽培環境の整備が不可欠である。こうした背景を踏まえ、inahoでは、トマト収穫ロボットの性能向上と商用化に向けた取り組みを進めている。
モデル刷新の背景
これまで当社は、自律型トマト収穫ロボットの開発・実証を進める中で、現場での安定稼働や商用化に向けた様々な課題に直面してきた。今回の新モデルでは、こうした課題に対応するため、ハードウェアと回路アーキテクチャを一新し、製品化・量産化を見据えた抜本的な機能刷新を実施している。
機能アップデートのポイント
1:精度・速度・耐久性の向上
産業用グレードの減速機、モータ、センサ、カメラを採用し、精度、動作速度、耐久性が大幅に向上。
2:エンドエフェクター部の共同開発
外部パートナーと連携し、トマト収穫に最適なベルトを選定。
3:作物を傷つけない滑らかなデザイン
全体のデザインとして、滑らかな曲面構造を採用しました。茎や枝への引っかかりを軽減し、作物や周囲へのダメージを最小限に抑えることが可能。
4:カメラ2台搭載による認識時間の短縮
左右両面にカメラを設置することで、1レーンあたりの認識にかかる時間を大幅に削減。収穫作業全体の効率を高めている。
5:収穫後のダメージを低減
収穫物をアームでカゴ近くまで下ろしてから放す制御機能を搭載し、落下や損傷リスクを低減。
今後の展望
今回発表された新型モデルの自動収穫ロボットは、2025年6月から2025年11月にかけて、オランダの提携圃場にて実地テストを実施を予定している。
ハウス栽培の先進国であるオランダは、高度に規格化されたハウス環境と人件費高騰を背景に、収穫ロボットの実用導入が進んでいる市場でおり、この環境下で実証を重ねることで、国際市場での競争力強化に向けた製品改良とコスト最適化を進める。
また、オランダでの実証成果を元に、日本のハウス栽培に適した機械仕様や栽培オペレーションの開発にもフィードバックを行い、労働力不足が深刻化する農業現場における機械化、省力化に貢献していくとのことだ。
積極採用中
inahoでは下記職種について積極採用を行っている。
ロボティクスエンジニア | https://herp.careers/v1/inaho/amJPjqGBK9Ic |
---|---|
制御エンジニア | https://herp.careers/v1/inaho/T-EHedPlGdxg |
メカエンジニア | https://herp.careers/v1/inaho/59AyT9-3uHL2 |
その他 | https://www.inaho.co/recruit |
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