GMOの「AI・ロボティクス」イベントで石破総理とNVIDIA CEOがビデオメッセージを寄せる

GMOインターネットグループは2025年9月25日、都内で「GMO AI・ロボティクス大会議&表彰式 2025」を開催した。AIやロボティクスに関する、産官学のキーマン達が集結して多数の講演が行われた。総合司会はフリーアナウンサーの加藤綾子氏がつとめた。
また、今年は石破首相やNVIDIAの創業者/CEO ジェンスン・フアン氏がビデオメッセージを寄せた。
石破首相は「GMO AIロボティクス大会議&表彰式2025」の開催を祝し、AIとロボティクスが産業、物流、医療、介護、災害対応など幅広い分野で社会を大きく変革する力を持ち、特に少子高齢化の日本にとって重要であると強調した。
政府はAI法に基づき「人工知戦略本部」を設立し、イノベーション促進とリスク対応を両立しつつ、世界で最もAIを活用しやすい国を目指す方針。
本年度中には社会実装と競争力強化に向けた戦略を策定予定で、日本のロボティクス技術と文化的背景を活かし、未来を切り開く可能性に言及した。
■石破総理ビデオメッセージ-2025年9月25日
NVIDIA 創業者/CEOのジェンスン・フアン氏は、次世代のAI・ロボティクス向けて重要なのはデータセンター「AIファクトリー」であり、GMOはそのサービス提供に既に着手していることを紹介した。
要約と全文は次の通り。
【要約】
AIは産業や科学を根本から変革し、各国・企業がその活用を進める歴史的転換期を迎えています。その中心となるのが新しいデータセンター「AIファクトリー」であり、GMOはすでに日本企業向けに稼働を開始しています。
次世代基盤「Blackwell(B300)」は、大規模推論や計画、リーズニングに対応し、リアルタイム処理を可能にする性能を備え、科学・産業・ロボティクス分野の国家的ニーズを支える存在となります。日本が強みを持つメカトロニクスと融合すれば、ロボットはAIファクトリーで訓練され、認識・判断・行動を備えた自律的存在として展開されます。GMOとの協業は日本の基盤インフラ拡張に寄与し、新時代の変革を牽引するでしょう。
NVIDIA 創業者/CEO ジェンスン・フアン氏のビデオメッセージ 全文(妙訳)
NVIDIA CEO ジェンスン・フアン氏
(日本語で)こんにちは。
ロボティクスとAIの未来を形作るイノベーター、エンジニア、そして発明家、夢を追うすべての皆さんとお話ができることを光栄に思います。今は歴史的な時です。新しいコンピューティングモデルが登場しました。AIはあらゆる産業と科学分野を変革するでしょう。すべての国がAIを構築し、すべての企業がAIを活用するでしょう。この変化の中心にあるのは、新しいタイプのデータセンター「AIファクトリー」です。
GMOはすでにプラットフォームをオンライン化し、日本企業も利用し始めています。これらのシステムは実際のワークロードを実行し、確かな成果を生み出しています。そして今、「B300」によってGMOは次の未来に向けて準備を進めています。
Blackwellは、当社の最先端プラットフォームです。大規模な推論、計画、リーズニング、トークン生成を行うモデル向けに構築されています。大規模なリアルタイム推論をサポートするために必要なパフォーマンスと効率性を提供します。
Blackwellを搭載したAIファクトリーは、科学、産業、そしてロボティクスにおける国家のニーズに応え、あらゆる国のデジタルインフラの一部となるでしょう。日本は長年にわたり、メガトロニクスと精密システムにおいて世界をリードしてきました。
AIの活用により「自動化」を超える「自律化」を実現する機会が生まれます。ロボットはシミュレーションで改良されたAIファクトリーで訓練され、認識、判断、行動が可能なエッジAIを搭載して展開されます。
熊谷さん、あなたのビジョンは明確ですね。
日本の基盤インフラを構築されています。この新しい時代に、GMOと提携してプラットフォームの拡張と日本の変革に貢献できることを誇りに思います。
(日本語で)ありがとうございます。
このイベントのアーカイブ動画はYouTube等で公開されている。
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神崎 洋治
神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。