
NVIDIAはGTC 2022にて、自律走行搬送ロボット(以下、AMR)を開発するためのプラットフォームであるIsaac Nova Orinを発表した。
Isaac Nova Orinの主な機能
Nova OrinにはAMRの自律性を設計、構築、テストするために必要なすべてのコンピューティングおよびセンサーハードウェアが含まれている。また、新しいJetson AGX Orin2基の搭載により、最大550TOPSのAIコンピューティングが認識、ナビゲーション、および人と機械のインタラクションのための性能を提供する。これらのモジュールはAMRの中枢神経系となる最大6台のカメラ、3台のLiDAR、8台の超音波センサーで構成されるセンサースイートからのデータをリアルタイムで処理する。
Nova OrinにはIsaac Sim on Omniverseでロボットをシミュレートするために必要なツールと、認識およびナビゲーションタスクを高速化するように設計された多数のROSソフトウェアモジュールのサポートが含まれている。NVIDIA DeepMapを使用して、ロボットの環境を正確にマッピングするためのツールも提供される。プラットフォーム全体は開発者が新たな機能の開発に貴重な時間を使えるように、手間なくすぐに動作するよう調整およびテストされている。
■GTC2022 基調講演 (1時間17分あたりから 日本語字幕の選択可)
新しいIsaacソフトウェアがAMRエコシステム向けに登場
NVIDIAは今年後半に利用可能になるNova Orinに加え、ロボットを視覚的にナビゲートするために不可欠なハードウェアアクセラレーテッドモジュールや、Isaac ROS GEMなどのAMR 展開を加速する新しいソフトウェアとシミュレーション機能を提供する。
NVIDIA Isaac Simの4月のリリースで利用可能となる新しいシミュレーション機能は、AMRをテストおよびトレーニングするための仮想環境を構築する時間の節約に役立つ。開発者は3Dの構築要素を使用して、リアルで複雑な倉庫のシーンと構成を迅速に生成し、幅広い物流の作業におけるロボットのパフォーマンスを検証できる。
2030年には460億ドルを超える市場
AMRによるイントラロジスティクスには多くの課題がある。ABI Researchの推測によると2021年の80億ドル未満から、2030年には460億ドルを超える市場になると予想される。
AMRコンピューティングとセンサースタックをゼロから設計する従来の方法は、時間と労力がかかりすぎる。既存のプラットフォームを活用することで、メーカーは適切なロボットアプリケーションに適したソフトウェアスタックの構築に集中できる。また、工場や倉庫の生産性を向上させるには、AMRが大規模に安全かつ効率的に協調して機能する必要がある。Nova Orinの3D認識によって推進される高レベルの自律性は、その革命を推進するのに役立つ。
AMRが進化するにつれ、搭載されている重要なAIソフトウェアの安全な展開と管理の必要性が最も重要になる。このためNova Orinには、すでにOTA(無線)でのソフトウェア管理機能が統合されている。
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山田 航也
横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。