医療センターで病院設備と複数ロボットを連携、清掃・案内・配送サービス実証導入 清水建設とブルーイノベーション、オムロン

清水建設株式会社とブルーイノベーション株式会社、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社(オムロン)の3社は、加賀市医療センターにおいて、病院設備と複数ロボットを連携させた清掃・案内・配送等のサービスの実証導入を実施したことを2022年9月14日に発表した。

「デジタル田園健康特区」に指定された石川県加賀市では、加賀市医療センターなどを中心にAIやIoT、ロボットなどの先端技術を社会実装することで、様々な地域課題を解決するとともに、新たな産業創出を図ることで、市民生活の質の向上を図り、人口減少に歯止めをかけることを目的としてスマートシティ(「スマートシティ加賀」)に取り組んでおり、同実証導入は、加賀市および3社が共同で内閣府から受託した「スーパーシティ構想の実現に向けた先端的サービスの開発・構築等に関する実証調査業務」として実施したものだ。

3社は、清水建設の建物OSとロボットやモビリティを統合制御する複数のロボットプラットフォームを組み合わせたロボット連携基盤の構築を共同で進めており、既に「ロボット清掃」や「ロボット案内」など複数ソリューションの実証運用を開始している。

同実証導入のシステム全体イメージと各社サービスの関係




同実証実験について

同実証導入では、加賀市医療センターに清水建設の建物OS「DX-Core」とあわせて、ロボット制御プラットフォームとしてブルーイノベーションの「Blue Earth Platform(BEP)」と清水建設の「Mobility-Core」を導入。BEPを介してオムロンの複合型サービスロボット「Toritoss」と清掃ロボットをDX-Coreと連携させ、各ロボットがセキュリティ自動ドアなどと連動して病院内をシームレスに移動しながら業務を行う実証に取り組んだ。
また、Mobility-Coreを介してDX-Coreと連携させた配送ロボットと自動ドアの連携実証も併せて実施した。
その結果、ロボット導入による清掃業務・看護業務等の負担軽減の可能性を確認することができ、従来の人による業務に加えてロボットが提供するサービスを組み合わせた業務体制を構築することで、病院施設内のマンパワー不足への対応や、コロナウイルス禍における人との接触機会を抑制した安全な業務運営などを実現できることが確認された。
今後3社はさらなる実証を重ね、建物施設とモビリティやロボット、多彩なデータ連携による先端的サービスの開発・展開を通して、人々の生活の質の向上やスーパーシティをはじめとした「新しいまちづくり」、さらには新たな地方創生モデルの実現に向けた取り組みを進めていくと述べている。


建物OS「DX-Core」

清水建設が開発した「DX-Core」は、建物内の建築設備やIoTデバイス、各種アプリケーションの相互連携を容易にする建物運用デジタル化プラットフォーム機能を備えた基本ソフトウェアだ。新築、既存を問わず実装でき、新築の場合、DX-Coreサーバーと建物管理システム、セキュリティシステム、IoTデバイス、ネットワークインフラ、サービスアプリケーションを顧客ニーズに合わせてパッケージ化して実装。建物運用にかかわる設備機器やアプリケーション間の連携をメーカーの違いを問わずビジュアルツールで自在に図れることができるばかりでなく、設備機器やセンサー、カメラ、ロボット等が収集する多種多様な動的データを蓄積・解析し、エネルギー利用の効率化や設備運転の最適化、各種サービスの改善にフィードバックすることも可能だ。


■【動画】建物デジタル化プラットフォーム 建物OS



建物設備・ロボット・自動運転車の統合制御システム「Mobility-Core」

清水建設が構築する「Mobility-Core」は、施設・街区と自動運転車両・ロボット間の連携基盤として研究開発を進めてきた自動運転プラットフォームを利用し、建物設備と各種サービスロボット・自動運転車を統合制御するシステムだ。施設側の自動運転管制・監視システム、エレベーター等の建物設備と、施設内で稼働する車両・ロボットを連携させるための基盤として機能する。この基盤を活用することで、自律型モビリティの開発メーカーやサービス事業者が他社のモビリティや建物設備との連携機能を独自に開発する必要がなくなり、複数のモビリティを組み合わせた施設サービスを容易に展開できるようになる。






デバイス統合プラットフォーム「BEP」と「BEPクリーン」

「BEP」は、ミッションをベースに複数のドローンやロボット、各種デバイスを遠隔・目視外で自動制御・連携させることができる、ブルーイノベーション独自のデバイス統合プラットフォームだ。複数のドローンやロボットをBEPで一括かつ遠隔で統合制御・管理し、さらに各種OSやシステムと連携させることで、ロボットによる複数のミッションを同時に遂行する。点検や物流、運搬、防災、警備、清掃など、任意の業務や用途に必要な機能やデバイスをあらかじめ選り出した「BEPパッケージ」により、各種業務へのドローンやロボットの導入、自動化、DX化などが実現可能だ。




■【動画】BEPクリーン|オフィス向けロボット清掃ソリューション



複合型サービスロボット「Toritoss」

Toritossは、清掃・警備・案内の3つの機能を搭載した複合型サービスロボットだ。気軽に導入できる簡単操作と事故を防ぐ安全対策、安心のトータルサポートを特徴としており、施設内の巡回清掃、巡視、コンテンツ表示により、様々なサービス展開が可能。同ロボットが24時間稼働することで、労働力不足といった社会課題の解決に貢献する。

■【動画】オムロン 複合型サービスロボットのご紹介


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ロボスタ編集部

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