雪景色の中「カブッキー」のノベルティグッズを児童生徒に配送 小松市松東地区で「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験

小松市、セイノーホールディングス株式会社(以下、セイノーHD)、株式会社エアロネクスト、株式会社NEXT DELIVERYは、2022年12月21日に小松市松東地区において次世代高度技術の活用により新しい物流サービスの構築を目指した「中山間地域におけるドローン配送」の実証実験を実施したことを発表した。


背景と目的

小松市全体の高齢化率は28.7%だが、中山間地域では40%を超える地区が存在する。中山間地域の高齢化が進むことで、日常の買い物や薬の受け取りなどでの生活利便性の低下が懸念されている。そこで物流サービスの維持・最適化を目指し、ラストワンマイルの輸送手段にドローン配送を組み込み、地上輸送とドローン配送を連結、融合する新スマート物流システムの導入により、買い物代行や災害時支援、医薬品配送等を行う仕組みづくりに民間企業と行政が協働して取り組む。

今回の実証実験は新スマート物流の社会実装に向けて、地域のドローンに対する理解浸透と、電波強度や自然環境、障害物チェックなどの社会実証に向けた調査を目的として実施した。


「カブッキー」のノベルティグッズを松東みどり学園まで配送

中山間地域での買い物支援、物資支援などを想定して、小松市松東地区のせせらぎの郷から松東みどり学園まで日用品をドローン配送した。せせらぎの郷から片道約3kmの距離を約7分で、エアロネクストが開発した物流専用ドローンAirTruckによって小松市イメージキャラクター「カブッキー」のノベルティグッズが松東みどり学園グラウンドで待つ約40人の児童生徒とカブッキーの元に届けられた。

雪景色の中、児童生徒への荷物を届けて飛び立つドローン(松東みどり学園グラウンド)

ドローンによって空から届けられたクリスマスプレゼントのようだと生徒から大歓声で迎えられ、児童生徒からは「自動運転で運航するなんてすごい」「いつか自分の荷物も運んでほしい」などのコメントがあった。

ドローン配送を応援する児童生徒とカブッキー(松東みどり学園グラウンド)

実証実験に使用された日本発物流専用ドローン“AirTruck”

今回の実証実験は12月13日に小松市、セイノーHD、エアロネクスト、KDDIスマートドローンの4者が締結した「次世代高度技術の活用による地方創生に向けた連携協定」による取組みとして、小松市の抱える地域課題の解決を目指してセイノーHDとエアロネクストが開発推進するドローン配送と陸上輸送を融合した新スマート物流”SkyHub“のしくみと技術を活用し、ドローン配送サービス事業を主体とするエアロネクストの子会社、NEXT DELIVERYが行った。

今後も連携協定に基づき4者が相互に連携、協力し、また地域の事業者とも連携し、市の課題や市民のニーズに沿って、ドローンをはじめとする次世代高度技術の活用によるドローン配送と陸上配送を融合した新スマート物流”SkyHub“の社会実装に向けた検討を進めていき、小松市における地域の課題解決と活性化に寄与していく。

新スマート物流「SkyHub」について
エアロネクストとセイノーホールディングス株式会社が共同で進める既存物流とドローン物流をつなぎこみ、地上と空のインフラが接続されることで、いつでもどこでもモノが届く新スマート物流のしくみ。ドローン配送が組み込まれること、共同配送を実現する、オープンプラットフォームかつ標準化したしくみであることが特徴。SkyHubの導入は物流改革という側面から人口減少、少子高齢化による労働者不足、特定過疎地の交通問題、医療問題、災害対策、物流弱者対策等、地域における社会課題の解決に貢献するとともに、住民の利便性や生活クオリティの向上による住民やコミュニティの満足度を引き上げることが可能になり、地域活性化を推進するうえでも有意義なものといえる。

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山田 航也

横浜出身の1998年生まれ。現在はロボットスタートでアルバイトをしながらプログラムを学んでいる。好きなロボットは、AnkiやCOZMO、Sotaなどのコミュニケーションロボット。

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