NECは、2023年10月19日にデジタルヒューマン協議会を通じて『デジタルヒューマン白書 2023』を公開した。
この協議会は、デジタルヒューマンを活用した豊かな社会の実現に向けた具体的な検討を進める目的で、2023年4月に設立され、NECも設立メンバーとして参画。これまでに計6回の会合が開催され、参画各社が持ち回りで「自社の技術・取り組み」、「デジタルヒューマンの活用可能性」、「AIを活用したビジネス展開」について発表し、議論を深めてきた。
このたび公開した白書では、デジタルヒューマンの活用方法や取り組み、社会実装の方向性などを社会に共有し、理解を深めるきっかけを提供するとともに、社会実装に向けたいくつかのユースケース例も提示。協議会は、引き続きデジタルヒューマンを活用したユースケースの具体的な社会実装を推進するため、新たな参画企業を広く募集し、活動を継続するとしている。
9つのユースケースを提示
NECは、2023年4月に有志企業8社とともにデジタルヒューマンの社会実装を目指す「デジタルヒューマン協議会」を設立し、計6回の会合の中で「デジタルヒューマンの利活用」について議論を重ねてきた。
協議会は、デジタルヒューマンを活用したサービスやソリューションが社会に実装されることで、人々の日常生活がより便利で豊かになると考えているが、一方でその実現には、社会全体における認知度の向上と、各所からの理解や協力を得ることが必要である。
これらを踏まえ、今般、デジタルヒューマンの活用がもたらす社会的意義に加え、その利活用方法や取り組み、社会実装の方向性などが社会に共有され、理解が得られるきっかけとなることを目指して白書をまとめたとしている。
まとめられた白書では、協議会を通じた検討結果として、9つのユースケースを提示している。
提示されたユースケース
1:おもてなしの最適化
2:自分の分身
3:息の合う相方
4:反復練習台
5:秘密の話し相手
6:口の堅い相談役
7:常駐監視員
8:デジタルアイドル
9:デジタルコミュニティ
10月以降、パートナーを広く募集
デジタルヒューマンの社会実装の加速には、個社の枠を超えて業界全体で最新情報や知見、課題を共有することが必要であり、具体的にはデジタルヒューマンのデザインやAIなどの頭脳を設計する企業、製品化されたデジタルヒューマンを既存業務の改善や新規事業において活用する企業など、役割は多岐にわたる。
上期の協議会では、デジタルヒューマンの開発・提供側と利活用側の様々な企業が業界の垣根を越えて集まり、社会実装について検討をおこなったが、今後社会実装を推進するためには、協議会のビジョンに共鳴する多くの仲間が必要であると考え、2023年10月以降、パートナーを広く募集するとしている。
協議会への参加資格
デジタルヒューマンに関心のある事業者であることが参加の条件としており、デジタルヒューマンを活用したサービスの提供および利用企業のどちらにも広く参加を呼び掛ける。
これまでの協議会は、民間企業が中心となって検討を行ってまいりましたが、今後はアカデミアや政府の参加も歓迎するとのことだ。(参加には、理事による推薦がある場合を除き、理事の審査で承認されることを条件)
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デジタルヒューマン白書 2023