
NTT西日本とテルウェル西日本は、次世代型アバターロボットを開発するugo(ユーゴー)と協力し、人材不足が深刻化するビル管理業務をスマート化するロボティクス・ソリューションの実現に向けた実証実験を開始することを2023年11月6日に発表した。
3社のロボットソリューションの知見を結集
NTT西日本グループは、労働人口減少が深刻な社会課題となる中、生活を担う産業の人材不足の解消に向けて、ロボットを安心安全に遠隔操作、監視するための次世代Wi-Fiサービス、クラウド基盤やサポートサービスの検討を行い、建設現場などで実証実験に取り組んできた。また、テルウェル西日本は、ビル向けの清掃ロボットソリューションをこれまでに1,000台以上導入しており、ビル清掃分野において高い実績を有している。ugoは、人とロボットの融合によるサスティナブルなワークスタイルを提供するロボティクス・ソリューション・カンパニーであり、人型の業務DXロボットにより、オフィスビルや商業施設、データセンターやプラントなどにおけるビル警備・点検等を行い、幅広い導入実績を有している。
3社は社会課題の解決にオープンイノベーションで取り組むことに合意し、今回のビル管理業務における共同実証実験を行うこととなった。今回の実証実験にはアバターロボット「ugo Pro」と「ugo mini」を使用する。
ロボットの相乗効果を得るための効率化を図る
清掃や警備などのビル管理業界は、他業界と比較して、いまだに人間の労働力に依存している部分が多く、慢性的な人材不足及び高齢化が大きな課題として挙げられている。それらの課題を受け、清掃ロボットや警備ロボットの導入によるDXに業界全体として取り組んでいる。
しかしながら、各分野の単機能のロボットが個々に導入され、それぞれのロボットの相乗効果を得るための効率化は図られていないのが現状である。
今回の実証実験では、複数のサービスロボット導入がスタンダードになる時代を見据え、ugoの「ロボットハードウェア機能」、NTT西日本グループの「ロボットサービス・地図シェアリング技術」を組み合わせ、より効率的なビル管理の実現をめざすとしている。
実証実験の内容
実施内容 | 異なる機能を持つロボットが、データ連携により、同一空間にて共調して動くことを検証。 1.清掃ロボットと清掃員がプラットフォームを通じて、清浄度データを受信し、清掃活動を実施。 2.マルチユースな点検・警備ロボットが施設内の巡回警備、消防、照明設備点検、紛失物確認等の複数業務しながら、環境センサーで清浄度を測定。 |
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実施期間 | 2023年11月20日~11月27日 |
実施場所 | NTT西日本:大阪市都島区東野田町4丁目15-82 QUINTBRIDGE / i-CAMPUS テルウェル西日本:大阪市中央区森ノ宮中央1丁目7番12号 本社ビル |
実施ロボット | 清掃ロボット:Rulo Biz 点検警備ロボット:ugo Pro、ugo mini |
役割分担 | NTT西日本・テルウェル西日本:地図シェアリング技術の提供 NTT西日本とテルウェル西日本が共同で検討を進めている技術であり、フロア等の空間データから、各ロボットの仕様に合わせた地図を作成・配信する事が可能 テルウェル西日本:ロボ★メンの提供 清掃スケジュールの設定や機器管理をクラウド管理にする事でより簡単に行えるようにし、現場(整備員)の負荷低減を実現するサービス ugo:ugo Platformの提供 複数台のロボット連携のほか、業務システム、IoTデバイス等と連携し、現場業務の自動化・DX化を実現するシステム |
実験詳細 | 上記3種のロボットの走行データ取得、連携を実施し、最適な業務フローの構築を実施。 |
今後は人材不足の解消と社会のスマート化の推進をめざす
NTT西日本グループとugoは、この実証実験を通じて、ビル管理業界が直面する人材不足やDXの遅れといった課題に挑む。異なる種類や多様な機能を具備するロボットが一つのプラットフォームで繋がり、共調することによって、新たなサービスの展開をめざすとしており、今回の実証実験での成果やノウハウについては、同様の課題を抱える業界や分野への展開も検討し、日本の人材不足の解消と社会のスマート化の推進をめざすとしている。
「NTT R&D FORUM 2023」で出展
今回の実証実験で使用される地図シェアリング技術については、2023年11月14日から開催される「NTT R&D FORUM 2023」での出展を予定している。
会期 | :2023年11月14日〜17日 |
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会場 | NTT武蔵野研究開発センタ |
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