デンソー、欧州向けに房取りミニトマトの全自動収穫ロボット「Artemy」の受注を開始 人手不足の解消と重作業の大幅低減に貢献

デンソーとグループ会社でオランダに本社を置くセルトンは、房取りミニトマトの全自動収穫ロボット「Artemy」の受注を、2024年5月14日から欧州地域にて開始すると明らかにした。

ミニトマトの収穫に関する作業を全て自動で行う

房取りミニトマトの全自動収穫ロボット「Artemy」の外観

Artemyは、房取りミニトマトの収穫に関する一連の作業を、全て自動で行うことができる革新的ロボット。基本的な機能は、以下のとおり。

Artemyの基本機能

・自動収穫:走行レーン(ハウス内に設置されている温湯管)の上を自動走行しながら、AIによるミニトマトの熟度判定を行う。成熟した房のみを選び収穫ロボットアーム先端に取り付けられたハサミを用いてミニトマトの果柄を切断し、積載している収穫箱に収納する。

・自動レーンチェンジ:周辺監視技術により、通路内の障害物と移動先の走行レーンを認識することで、無軌道でも隣接する走行レーンへ安全かつ正確に自動で移動することが可能。


隣接する走行レーンへ自動で移動する様子  

・収穫箱の自動交換:満載になった収穫箱を自動で入れ替える。

・収穫箱の自動移載:積載している6つの収穫箱が全て満載になった場合、空の収穫箱が置いてある台車まで自動で移動し、収穫箱全てを一度に入れ替える。


載している全ての収穫箱を自動で交換する様子

上記以外にも、バッテリーは交換式を採用しており、充電のための待機時間なく長時間の稼働が可能。また、房検出LEDと果柄検出LEDを搭載することで、昼間の直射日光環境下や、夜間の栽培用補光環境下におけるミニトマトの収穫精度を向上させ、昼夜の自動収穫を実現する。
これら機能は、昼夜を問わない連続稼働を可能にし、人手不足の解消と重作業の大幅低減に貢献するとしている。

両社コメント

株式会社デンソー 経営役員 (フードバリューチェーン事業推進部担当) 横尾英博 氏

Artemyが行う、ミニトマトの自動収穫から移動に至る全てに、画像認識や安全走行、ロボット技術といったモビリティやモノづくりで培ってきたデンソーの技術が生かされています。今後も、デンソーは自社の技術とセルトンが持つ栽培ノウハウや施設園芸技術を融合させ、デンソーとセルトンが目指す、世界中で「いつでも、どこでも、誰でも」可能な安定生産を実現していきます。


Certhon Build B.V. 社長 Lotte van Rijn 氏

セルトンが持つ栽培ノウハウの全てを詰め込み、デンソーのエンジニアと議論を重ねて開発してきたArtemyは、実際の農場で、驚くほど安全に人と協働しています。セルトンは、Artemyが新たな農業生産システムの中核を担うことを確信しています。今後も、双方の技術とノウハウを生かして、世界中の農業に貢献していきます。


今後について

今後デンソーとセルトンは、Artemyを皮切りに、様々な作業や多品種に対応した省人化機器やデータソリューションを開発するとしており、農業用ハウスとパッケージされた無人化栽培システムを開発し、共にグローバルに展開していくことで、世界中で持続可能な農業の実現に貢献するとしている。

尚、Artemyは、オランダで開催される世界最大級の施設園芸事業者向けの展示会「GreenTech Amsterdam」(開催期間:2024年6月11日~13日)への出展を予定している。

製品概要

型式 DN-ATH-001E
重量 約500kg
体格 全長2130㎜×全幅850㎜×全高1680㎜
バッテリー形式(稼働時間) 交換式バッテリー(積載数2基、満充電で約5時間稼働)
基本機能 ・自動収穫
・自動レーンチェンジ
・収穫箱の自動交換、自動移載 等
安全規格 EN ISO13849‐1/13855、IEC61508 準拠


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ロボスタ編集部

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