
クウジットは「空と実をつないで社会に貢献」をミッションとし、笑顔計測や因果情報分析を用いたセンシング&AIデータ解析事業を展開している。
同社は経営陣や社員自らの経験から生まれた課題解決として、Well-Being領域での知見と生成AI技術を活かした「Active Aging Platform」を開発。本プラットフォームにより、高齢者と家族双方のWell-Beingを高める音声対話型AIパートナーを提供し、ロボットとのインタラクションを視野に入れた継続成長型の新規事業を実現する。
Active Agingの理念
世界保健機関(WHO)が提唱する「Active Aging」とは、高齢化社会において誰もが健やかに自分らしく年齢を重ねるための考え方。単なる健康寿命の延伸だけでなく、社会参加、安全の確保、そして生活の質の向上を包括的に捉え、高齢者が社会の中で活躍し続けることを支援する概念。
人生100年時代を迎え、高齢期を「支えられる時代」ではなく「自分らしく輝く時代」へと変えていくことが、Active Agingの目指す世界である。
Active Aging Platformとは
クウジットが開発する「Active Aging Platform」は、親の介護を経験する世代自らが創り出す、Active Agingの理念を最先端技術で実現するプラットフォーム。AI、自然言語解析技術、センシング技術、データ解析などを組み合わせ、高齢者のフレイルや要介護状態への移行を遅らせて高い Well-Beingな状態を継続し続けることを目的としている。高齢者向けのエンターテインメントとして毎日を楽しく豊かにするパートナーが自然に寄り添う。
「見守られる」という受動的な関係ではなく、「共に楽しむ」という能動的な関係を構築することで、高齢者の生活の質(QoL)を向上させると同時に、認知機能の維持・向上にも貢献する。AIパートナーとの日々の自然な対話を通じて知的好奇心を刺激し、脳の活性化を促進することで、エビデンスに基づいたフレイル予防を実現する。
このようなAIパートナーを実現するために、クウジットが持つ自然言語や各種データの解析技術、表情解析をはじめとするセンシング技術、対話ユーザインタフェースおよびそれらを統合する独自のAI基盤がコア・テクノロジーとしてプラットフォームを支える。
Active Aging Platformの3つの特徴
1:自然な対話体験を通して認知機能低下を防ぐ
日常会話を通じて知的刺激を与える。個人の趣味や関心事についてパーソナライズしていくことで深い対話が可能となり、日々の会話量が増え認知機能の低下を抑える。対話アプリやロボットなどを通して、最終的には社会との接点を増やし孤立しないような支援を行うことで、フレイルへの進行を遅らせる一助となることが期待される。
2:家族との繋がり
離れて暮らす家族との絆を深めるサポート。AIが高齢者と対話した内容と表情解析から取得した感情をもとに、要点となる会話をまとめて離れて暮らす家族にも共有できる。日々の生活や関心事を家族と共有し、質の高い家族同士のコミュニケーションを促進する。監視ではなく、共感と理解を大切にし、高齢者と家族双方のWell-Beingを高める。
3:活動的な日常
その日の天候や近くで行われているイベント情報等をもとに、お出かけや散歩のきっかけを促す。健康的な習慣づくりを楽しくサポート。個人の状況に合わせた適切なアクティビティを提案し、いきいきとした毎日を応援する。
共創パートナーとの連携によるプラットフォーム構築
Active Aging Platformはオープンなプラットフォームとして実現されるため、他のハードウェア(ロボットやIT端末など)や各種サービス、センシング技術、研究機関などとの連携が可能。その連携によりシニアマーケットを見据えた新しいビジネススキームの実現に向けて、クウジットは幅広い分野のパートナーとの共創を求めており、特に以下の分野での連携を希望している。
・PoC・実証実験の場を提供できる施設や企業:高齢者施設、地域コミュニティ、医療機関など
・高齢者向けコンテンツ制作企業:映像、ゲーム、音楽など、高齢者の知的好奇心を刺激するコンテンツ
・ロボティクス分野の研究機関・企業:対話AIと連携可能なロボット技術の提供
・センシング技術を持つ研究機関・企業:非侵襲的な健康状態モニタリング、行動分析技術の提供
当事者視点と、パートナー各社の専門性が融合することで、真に役立つプラットフォームの構築が可能になるとしており、関心を持たれた方は、ご関心をお持ちの方は、本クウジットまで問い合わせてみてはどうだろうか。
科学的根拠に基づく社会実装
Active Aging Platformは、科学的根拠に基づいたフレイル予防に繋がる高齢者支援プラットフォームである。クウジットはこれまで蓄積したセンシング技術とAI解析の知見を活用し、対話内容の分析から認知機能や心理状態の変化を検知する独自アルゴリズムを開発している。
研究機関と連携し、対話型AIの介入による認知機能維持・向上の効果、社会的交流の増加がもたらす精神的健康への影響など、複数の視点からエビデンスを構築。これらの科学的根拠に基づき、より効果的なフレイル予防と生活の質向上を実現するプラットフォームへと発展させていくとしている。
従来の高齢者支援との違い
従来の介護予防や見守りサービスとは異なり、親介護世代の視点から生まれたActive Aging Platformでは、健康維持や社会参加を特別に意識させることなく、自然と豊かな毎日をサポートする。対話型AIパートナーとの会話を通じて個人の趣味嗜好・習慣を学習し、適切な活動提案を行い、結果として高齢者自身が主体的に社会とのつながりを楽しめるようにするとのことだ。
高齢者本人だけでなく、遠隔地から暮らしをサポートする家族のWell-Beingも重視。プライバシーを尊重しつつ、家族は安心して高齢者の生活とつながることができる。フレイル・認知症の早期発見や予防は重要な目的だが、それを前面に出すのではなく、日々の暮らしを豊かにするエンターテインメントとしての価値を提供する。
実現に向けたロードマップ
クウジットはこれまで大量のテキストデータを構造化し分析可能とする「KEI AI Platform」を実現し、コンタクトセンターとチャットボット技術も保有している。これらの技術基盤をActive Aging Platformに応用し、音声対話型AIパートナーの実証実験を年内に実施する予定である。
プロトタイプでは、日常会話から得られる情報を蓄積・分類・構造化し、個人に合わせた知識として活用。また、対話内容から語彙の変化や応答の一貫性を分析することで、認知機能の状態も把握する。
段階的なアプローチとして、まずは音声対話AIからスタートし、センシング技術の統合、そして将来的にはロボティクスとの連携まで視野に入れた総合的な技術プラットフォームを構築する。
事業の持続可能性においては、保険会社・自治体・企業との戦略的連携により、利用者の経済的負担を最小限に抑えつつ、高品質サービスの持続的提供を実現。「親サポート」を福利厚生に組み込む企業との協業など、社会全体で支える多様なパートナーシップによる価値の循環モデルを構築し、長期的な発展を目指す。
経営陣のコメント
クウジット取締役COO 塩野崎敦 氏
親の介護を自ら経験する世代として、いつ何が起こるか心配な日々を過ごしています。介護する側、される側双方のWell-Beingを実現するためには、これまでにない新しいアプローチが必要です。私たち親介護世代だからこそ実感できる課題を、AIやセンシング技術で解決したいという思いから、クウジットメンバーと共にこの構想を立ち上げました。この取り組みに共感いただける方々と協力しながら、自分の家族と共に実証を重ね、将来自分にとってもなくてはならないサービスに育てていきたいと思います。
クウジットは今後も社会全体のWell-Beingを高めるため、当事者視点から生まれたActive Aging Platformをはじめとする様々な取り組みを通じて、元気とワクワクを提供していくとしている。
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