テラ・ラボ、1000キロ飛行を狙う垂直離発着型の固定翼機を開発中 海外での飛行試験時間は50時間を突破

​株式会社テラ・ラボは、垂直離発着できる長距離向けの固定翼無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」の飛行試験を実施し、2025年1月から3月までに累計50時間の性能評価を完了したことを発表した。 この機体は、重量40kgで、1000km以上の連続飛行を狙う。
航空法の規制により25kg以上の機体での長距離飛行(目視外飛行)には高いハードル(機体を整備することにより 100 時間以上の飛行に耐え得る耐久性を有すること)が設けられているが、海外での飛行実験を通じて開発を進め、広域災害対応や洋上監視などの用途での活用を目指している。


テラ・ドルフィンVTOLの特徴と技術

株式会社テラ・ラボが開発した「テラ・ドルフィンVTOL」は、機体重量40kgの垂直離発着型固定翼無人航空機。航続距離1000km以上の実現をめざしている。
制御装置、推進装置や観測装置を選べるMPPモデル(Multi Purpose Platforms、多目的プラットフォーム型無人航空機)として開発しており多様な用途に対応することが期待できそうだ。

また、最も大きな特徴は固定翼を使った長距離飛行と離発着設備不要のVTOL性能だ。
一般的にイメージされるドローンはプロペラのみで揚力を得るものだが、飛行機のような固定翼を備えた機体は前方への推進力と翼から揚力を得ることで長距離飛行が可能になる。
その一方、離発着時に滑走路が必要とされる固定翼機の運用上の難点を垂直離発着(VTOL :vertical takeoff and landing)性能を付加することで解決している。
これにより​災害時の乱雑な地形や船舶上などの狭隘な地形など、多様な地点から迅速な離発着が可能になる。


■機体スペック
全長:2900mm
全幅:4300mm
全高:975mm
機体重量:40kg
巡航速度:70-150km/h


大型ドローン開発の課題と規制の厳しさ


日本国内において、日本国内で最大離陸重量25kg以上のドローンがカテゴリーII(目視外飛行等)を実現するには航空法に基づく厳格な規制をクリアする必要がある。
墜落した場合に重大事故になりうる高重量大型ドローンが、操縦者の視界から外れた数十、数百キロ先まで安全に飛行できる性能を保証する必要があるためだ。

今回テラ・ラボが特に重視したのは、「機体を整備することにより 100 時間以上の飛行に耐え得る耐久性を有すること」という項目で、2025年1-3月で累計50時間の飛行試験を実施、5月には累計100時間を完遂する見込みだという。

こうした実験は大型固定翼機の長期間の飛行試験場の確保が難しく、また飛行試験場の近隣等への安全性を考慮したとしても飛行試験中の事故等のリスクがある。そのため、テラ・ラボは国外に飛行試験場所を求めたのだという。
こういった技術的要件以外の難点は特区や広域試験設備などを国が整備することで解決していく必要がありそうだ。


開発のステップと今後の動きについて

これまでテラ・ドルフィンは、「2019-2021度、地域復興実用化開発等促進事業補助金(福島県)」を活用し、プロトタイプによる飛行試験を実施。
「2023-2024年度、新あいち創造研究開発補助金(愛知県)」を活用し、垂直離発着可能な固定翼機として機体の量産化に向けて、機体の性能評価試験を行ってきた。 
今後は、日本国内においてカテゴリーII(目視外飛行等)の実証実験を行い、早期実装化を目指すとのことなので、5月の累計100時間の試験完遂の続報を待ちたいと思う。

関連サイト
株式会社テラ・ラボ

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