視覚を遮断し、人の感覚や知覚の限界と豊かさを見つめ直す体験型の展示イベントを万博で開催 MR基盤「Auris」を活用

GATARIは、Mixed Realityプラットフォーム「Auris」を活用し、大阪・関西万博ギャラリーWESTで毎日新聞社などが出展するメディア催事「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」内に、体験型の展示イベント「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」をプロデュースした。

SENSPHEREはインクルーシブ体験を支援するシステムで、スマートフォンとイヤホンだけで体験可能。本展示では、視覚を遮断した状態で洞窟のような空間を進みながら、人の感覚や知覚の限界と豊かさを見つめ直す、感覚探求の旅を体験することができる。「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」は2025年4月19日より6日間実施される。

視覚に頼らない情報で世界の彩りを体感

「Auris」は、スマートフォン1台で完結するGATARI独自のMixed Reality(MR)プラットフォームです。ユーザーの位置をセンチメートルオーダーで認識し、ユーザーの動きや位置に応じてインタラクティブな体験を提供することを可能にする。

「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」では、体験者は目を覆い、視覚情報を遮断した状態で洞窟のような空間を進む。手探りで壁を辿りながら、オーディオデバイスから耳に届く音の方向や質感の違いに導かれ、聴覚や触覚など視覚に頼らない情報から構成される世界の彩りを体感する。

「Auris」ならではの立体音響演出やユーザーの身体の動きを細部まで認識したインタラクティブな没入型展示となっているとのことだ。

“人間の知覚の限界が生み出す想像力の可能性”を体験

「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」をプロデュースしたGATARIはこれまで「Auris」の強みを活かして視覚障がいの方々の施設内の移動のサポートや体験性の向上などQOL向上に向けた取り組みを重ねてきた。GATARIがこうしたコンテンツをMixed Realityを用いて企画制作する背景には、人が感覚器官を通してどのように自身を取り巻く環境を認識しているのかを理解し、その感じ方を変えることで現実空間をより豊かな空間にしていくという理念がある。

大阪・関西万博の場で実施する「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」は、この理念のもと視覚障がいの有無や個々人の感覚の違いにかかわらず“人間の知覚の限界が生み出す想像力の可能性”を考え、感じることができる体験を提供する。

メディア催事「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」は、毎日新聞社が設立し、視覚障がい者と晴眼者の隔たりの無いインクルーシブな社会の実現に賛同する企業・団体と共に今年1月に設立された非営利の共同事業体「ビジョン・コンソーシアム」の第1弾として開催する催し。

今回の展示では、大阪工業大学の情報科学部情報メディア学科マルチメディア応用研究室(指導教員:平山亮教授)及び学生有志による「Auris」を活用して制作した体験イベントも実施される。2024年​​​​より東京と大阪をオンラインで結び、GATARIのメンバーが学生向けに「Auris」の活用方法をレクチャーし、体験コンテンツの制作支援なども行ってきた。

今後もGATARIは、Mixed Realityの技術を活かし、企業、団体、教育機関など多様な方々とコラボレーションしながら、視覚障がいのある方への情報保障や障がいの有無に関わらずそれぞれのパーソナリティに合わせた情報提供の取り組みを進めるとしている。

大阪・関西万博出展概要
展示名 「SENSPHERE 知覚の境界をほどく旅」(GATARI)
共催展示 「音で旅する大阪今昔 博士と失われたレシピを探せ!」(大阪工業大学)
期間 2025年4月19日~4月24日 10:00〜19:00 ※最終日は15:00まで
会場 大阪・関西万博 ギャラリーWEST「点字考案200年 視覚障害者の世界を体験する」内
主催 ビジョン・コンソーシアム、毎日新聞社


Mixed Reality プラットフォーム「Auris」(オーリス)とは


Aurisはスマホ1台ノーコードで現実に没入する未体験の感覚を生み出すことができるMixed Realityプラットフォーム。

ヘッドマウントディスプレイなどを一切必要とせず、スマートフォンとイヤホンというすでに当たり前になりつつあるデバイスだけで、今までにない没入体験を提供することができる。

スマートフォンで完結する独自の空間スキャン&自己位置推定システムと、設定次第で様々な体験を可能にする自由度の高いオーサリングツールにより、今までにない体験をいつでも誰でもどこにでも作ることができます。現在、文化財や博物館、モデルルームや展示会など様々なロケーションへの導入が進んでいる。

ビジョン・コンソーシアムについて

「視覚障害者と社会の懸け橋となる」という理念のもと、毎日新聞社は1922(大正11)年に「点字毎日」を創刊。

点字誕生から200年となる2025年、その理念を現代にアップデートし、見えない、見えづらい世界の「体験」を重視し、よりインクルーシブな社会を築くために企業・学校法人や団体、メディアなどが集って設立した非営利の共同事業体である。

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ロボスタ編集部

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