日本電気(NEC)は、テクノロジーとビジネスの融合を体験し、対話を重ねて共に未来を描く先進テクノロジーの体感施設「NEC Future Creation Hub」を報道関係者向けに、2023年6月13日(火)に公開した。「NEC Future Creation Hub」はNEC本社内にあり、一般公開はされていないため、施設の内容やNECが取り組んでいる新技術を読者にとっても理解する良い機会なので、記事で詳しく紹介しよう。
「NEC Future Creation Hub」のエントランスの顔認証。最も高速な顔認証システムでは、立ち止まる必要もないほど瞬時に認証を行うことができる。
■NEC 顔認証システムの実際(認証の速さ)
「NEC Future Creation Hub」では、NECの歴史、顔認証や生体認証、AIカメラ認識技術、海底ケーブルと増幅中継器、PC9800シリーズ、量子アニーリングマシンなどさまざまな技術が紹介された。特に顔認証技術は必見で、100人など多人数でも一度に顔認証できる「ゲートレス生体認証システム」のデモは必見だと感じた(動画で紹介する)。
「NEC Future Creation Hub」とは
「NEC Future Creation Hub」はテクノロジーの可能性、そこから生まれる価値、NECのビジョンを体験できる施設。世界中のNEC関連企業やパートナー、顧客が一つのチームとなってコラボレーションし、次世代の社会価値を創造する世界を体感できる。施設としては陽光が入る待合室やデモ室、NECの歴史や技術展示がおこなわれているスペース、シアターなどで構成されている。
「NEC Future Creation Hub」施設内で展示されている具体的な概要は下記のとおり。
詳細は下記のリンクからパンフレットPDFをダウンロードできるので、ご確認いただきたい。
https://jpn.nec.com/fch/hub-guide/images/NFCH_TOKYO_Ja.pdf
メディアツアーで紹介されたNECの最新技術
今回の報道関係者向けツアーでは、NECが得意とする生体認証(顔認証や虹彩認証など)や、画像認識AI、宇宙関連技術、スマート物流、量子コンピュータ、サイバーセキュリティ、5G等の最新技術の説明がおこなわれた。
一度に多人数を上からのカメラで瞬時に認証するデモ
NECは様々な最新技術の研究開発をおこなっているが、最も秀でている技術のひとつがなんといっても「顔認証」(生体認証)だろう。世界的なコンテストで何度かトップに輝くなど、その精度は実証済み。冒頭の動画でもその認証スピードに驚いた人もいるのではないだろうか。
そして、今回のメディアツアーでは、顔認証は写真や画像では「なりすまし」ができないこと、大人数を一気に瞬時に顔認証する「ゲートレス生体認証」のデモも行われた。
多人数を一気に瞬時に顔認証するデモでは上からのカメラ映像で認証をおこなうが、通常は上からのカメラでは精度が落ちるが、NECの技術では精度は維持したまま、約100人を一気に認証することができるという。認証のためフラッパーゲートが混み合ってしまうような事態をさけることができる。
■ NEC顔認証 「なりすまし」防止、一度に多人数を上からのカメラで瞬時に認証するデモ
なお。NECでは目の中の虹彩を認証として使用する技術も以前から研究開発している。虹彩だけでも誤認識しない精度が高いと評価されているが、顔認証を組み合わせて、より高精度だったり迅速性だったりを用途によって組み合わせて活用することも考えられるという。
他にもいろいろな最先端技術が紹介されたので、もし今後機会があれば記事でも紹介していきたいと思う。
今回は実際にデモや技術を目の前で見て、体感でき、とても勉強になったと感じている。
■NEC Future Creation Hub theater
【顔認証】コンサートの入場から電子決済、テロ対策まで、ここまで来た顔認証と声認証 ~NECに聞く 生体認証の最前線 (第1回)2017年
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神崎 洋治神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。