元トヨタエンジニア創業のLean Mobilityが4.5億円の資金調達 2026年に量産化を計画

Lean Mobility株式会社は、都市型小型モビリティ「Lean3」の量産と販売・サービス体制の強化を目的に、Pre-Aラウンドにて約4.5億円の資金調達を実施したと発表した。


本ラウンドは、Tech Sphere Investmentsをリードインベスターとし、日本および台湾の企業が参加している。調達資金は、2026年の量産計画の加速、販売・サービス体制の強化、開発・人材採用の加速に充当される。

Lean Mobilityは2022年、元トヨタエンジニアである谷中壮弘氏により設立された日台連合のモビリティ・スタートアップ。
「平均乗車人数1.3人/4~8人乗り車両」という「過大装備」の現状を背景に、「効率的かつ無駄のない(Lean)モビリティが豊かな生活につながる」という理念のもと、都市交通の効率化と脱炭素化に挑戦している。

同社は2025年6月、日本(愛知県豊田市)に本社機能を設立した。日本本社はグローバル戦略を統括する司令塔としての役割を担いつつ、金融機関や戦略的パートナーとの連携を通じて資金調達と国際展開を加速させる。台湾子会社はサプライチェーンを活用した生産体制を担い、豊田市のR&Dセンターは商品・技術開発に特化するなど、三拠点体制を構築している。


「Lean3」は、前2輪操舵・後1輪駆動の3輪構造を採用し、全長2,470mm×全幅970mmの最小クラスのEVである。独自の「アクティブ・リーン・システム」により、車体を最適な角度に制御してコーナリングや荒れた路面でも安定した走行を実現する。航続距離は100km、エアコンを標準装備し、従来の小型EVの課題を大きく改善した。


法人向けプレオーダーを2025年夏より台湾にて開始し、初日で500台を超える法人予約を獲得するなど、実需の広がりが確認されている。個人向けとしても、2,000件を超える調査結果から短距離移動ニーズの強さが明らかになっており、通勤や子育て世帯、高齢者利用など、多様な生活シーンでの展開可能性が示されている。

今後は2026年年央より日本・台湾での納車を開始し、欧州市場については翌年から展開を予定している。将来的な成長戦略として、車両から収集した走行データを統合管理プラットフォーム「LeanX」に集約し、料金最適化・車体機能の維持向上・OTAアップデートを推進。これにより、単なる車両販売にとどまらず、利用価値を起点とした「Car Lifetime Value」モデルへと進化し、都市交通のMaaS化、自動運転モジュールの導入、ロボタクシー運用までを視野に入れている。


Lean Mobility代表取締役社長 谷中壯弘氏のコメント

谷中壯弘氏

私たちはLean3を通じて、都市部における新しい移動の選択肢を提案します。単に車体を小さくするだけでなく、独自の姿勢制御技術によって小型車でも快適・安定かつ爽快な移動体験を提供することが可能になりました。さらに、データを活用した新しいモビリティサービスを展開し、将来的には都市全体の交通システムをより効率的で持続可能なものへと変えていきたいと考えています。

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ロボスタ編集部
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