自宅から都庁で働く 分身ロボットで観光やイベントの案内、広がる新たな職き方 オリィ研究所

株式会社オリィ研究所は、東京都の「分身ロボットを活用した新たな働き方の支援事業」を受託し、2025年10月より都庁舎展望室等において分身ロボット「OriHime」(オリヒメ)を活用した重度障がい者の就労支援を開始したと発表した。
自宅から遠隔操作で、都庁舎展望室にある分身ロボットを活用して、来庁者への観光案内や事業の紹介などをおこなう。この活動は昨年に続き2年目。


ネット経由で遠隔操作できる分身ロボット「OriHime」を活用

同事業は、東京都内に在住または都内の施設に入所、病院等に入院している重度障害等がある方を対象としている。就労者は自宅などでスマートフォンやパソコンを利用し、インターネット経由で遠隔操作できる分身ロボット「OriHime」を活用して、都庁舎展望室における来庁者への観光案内や事業の紹介、東京都主催イベントにおける案内業務等を行うことができる。

東京都では、障がい者を含むすべての方が最大限自分が持つ力を活かすことができる働き方の実現を目指し、ダイバーシティの推進に向けた取組を進めている。特に重度障がい者は、物理的な「移動」や他者との「対話」、仕事などの「役割」を得ることに困難性があることから、個々の障害特性を踏まえた就労の促進が非常に重要だとしている。

分身ロボット「OriHime」

今回の事業では、分身ロボットOriHimeを活用することで重度障がい者の方々が持つ可能性を最大限に引き出し、就労機会を広げることを目的としている。また、観光客への案内等の業務に加え、「分身ロボットを活用した新たな働き方の支援事業」の紹介を行うことで、障がい者雇用への理解を深めてもらうことも目指している。

OriHimeを通じて観光案内する様子

オリィ研究所は「人類の孤独を解消する」を理念に掲げ、障害・病気・介護・子育て等の理由で外に出ることが難しい「移動困難者」の選択肢を豊かにするサービスを研究開発・提供している。同社は遠隔操作でありながら「その場にいる存在感」を共有できる分身ロボット「OriHime」をはじめ、テレワークでの肉体的社会参加を可能にする「OriHime-D」、重度障害があっても目や指先などの僅かな動きだけでコミュニケーションを可能にする意志伝達装置「OriHime eye+Switch」などを展開している。

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ロボスタ編集部
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