【倉庫の自動化】26台の搬送ロボットで構成する3次元ピッキング「Skypod」システム、医薬品物流センターで稼働開始

マテハンシステムの総合メーカーであるオークラ輸送機株式会社は、アルフレッサ ヘルスケア株式会社の九州物流センター(熊本県御船町)に、3次元ロボットピッキングシステム「Skypod(スカイポッド)」を納入したと発表した。


Skypodは、前後・左右・上下方向に3次元走行する26台の搬送ロボットと、保管能力に優れる高密度なラックで構成されている。商品は専用コンテナに2アイテムずつ投入され、ラックに保管されるが、格納はすべて搬送ロボットが行う仕組みだ。


ラックの高さは天井まであり、建屋の天井空間の無駄をなくすとともに、最大5,670コンテナ、約1万2千アイテムの商品を保管することができる。出庫も同様にすべて搬送ロボットが担当し、出庫指示が出されると、ロボットがラックから該当商品の入ったコンテナを取り出し、ピッキングステーションへ運ぶ。

棚間を上下走行する搬送ロボット

搬送ロボットは秒速4mで走行する

ロボットは毎秒4mで高速走行し、1オーダー2分以内にステーションへ到着する。ステーションでは、作業者がモニターの指示に従い、コンテナから該当数を取り出してオリコンに投入するだけで作業が完了する。

作業者の手元まで搬送ロボットがコンテナを運ぶ

これまで多品種少ロット品は高頻度出荷品と一緒に平棚へ保管し、台車で棚を循環しながらピッキングするカートピック方式で行っていた。しかし、保管エリアは広く、歩く距離や探す時間など、作業者には大きな負担がかかっていた。

今回、多品種少ロット品を切り出し、Skypodで処理することで、バラ出荷品エリアの保管面積が縮小し、多品種少ロット品のピッキングにおいてGTP(歩かない、探さない、持たない)を実現した。また、高頻度出荷品のカートピック効率が大幅に向上し、出荷品全体のピッキング精度と生産性が向上した。

■【Skypod納入事例】アルフレッサ ヘルスケア株式会社 様|多品種少ロット品のバラピックにSkypod活用。歩く、探す作業をなくし、生産性向上。

アルフレッサ ヘルスケアでは、「Skypodの導入により、従業員の負担は軽減され、労働環境が大きく改善された。また、ピッキング工数の削減で業務の効率化が実現し、九州のお客様への正確・迅速かつ安全な商品供給体制を強化できた」と設備を評価している。


スマート物流・倉庫の自動化のオンラインセミナーを10月に開催

ロボスタでは、矢野経済研究所のロジスティクス分野担当、主任研究員の田中里奈氏が登壇するオンラインセミナー「倉庫現場で革命を起こす、物流ロボティクス市場の現状と将来展望」を2025年10月23日(木)に開催します(先着100名無料ご招待)。
矢野経済研究所で市場調査や動向分析をおこなっている田中氏が、物流業界を取り巻く市場環境の変化を分析、倉庫内の物流ロボティクスの市場規模と最新動向を紹介した上で、ロボットの種類別や作業工程別に見る物流ロボットの特徴にも触れて頂き、市場調査と経営コンサルティングの専門家の視点から「物流ロボット」の課題や今後の展望について解説します。
また、2026年4月から大規模な物流に関連する特定の事業者(荷主)に義務化される「物流統括管理者「CLO」(Chief Logistics Officer)の選任についても説明して頂きます。

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ロボスタ編集部
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