月面基地ロボット、海底ロボット、空飛ぶ基地局HAPS、触覚グローブの操作体験など見どころ紹介 総務省「Beyond 5G ready ショーケース」大阪・関西万博

総務省は、大阪・関西万博において、次世代情報通信がもたらす未来社会や最先端技術を体験できる催事「Beyond 5G ready ショーケース」を開催する。このショーケースでは、Beyond 5Gに関する日本の取り組みを世界に情報発信することを目的としている。Beyond 5Gの実現により未来の社会・⽣活がどのように変わるのかを映像・体験・展示の3つのゾーンを通して紹介する。
期間は5月26日(月)から6月3日(火)まで。

月面基地のロボットをリアルタイム操作

「未来のしごと」として、月面基地のロボットをリアルタイム操作したり、時空間を超えた同期が可能になる社会を体験。また、「未来のあんしん」として空飛ぶ通信基地局「HAPS」を操作して、災害時の途絶した通信を復旧、災害支援する体験なども用意されている。

空飛ぶ通信基地局「HAPS」を操作

人の動きに合わせて動く海中ロボットを操作して海のゴミを収集


「Beyond 5G」とは

「Beyond 5G」は、現行のモバイル通信「5G」の次の世代の情報通信基盤をさす。場所や時間を問わずに多様なユーザーやシステムをシームレスにつなぐ。総務省は「Beyond 5G」の実現に向けて技術戦略を推進、民間企業や大学等による研究開発の支援も行なっている。

開催を目前に、村上総務大臣は「Beyond 5G ready ショーケースのテーマは“次世代通信”。携帯電話やスマートフォン、パソコンなどが、どこにいても誰とでも“つながる”ことが、当たり前の時代です。Beyond 5Gによって、未来の暮らしがさらに便利で豊かなものになり、新しい産業やビジネスも生まれ、地方を元気にしていくものと思います。それを万博で是非とも多くの皆様に体験いただきたいと思います。」と述べた。


見どころの紹介

【ZONE1/プロローグシアター】
 通信の歴史と未来を180度スクリーンを使った映像で紹介】

プロローグシアターでは、通信の歴史からBeyond 5Gのもたらす未来への変遷を、180度スクリーンを使った映像で紹介。通信技術の夜明けから電気通信のはじまり、インターネット元年、携帯電話の誕生(1G)からスマートフォンの普及(4G)、現代の高速・大容量・低遅延・多数同時接続が可能になった5Gの世界から2030年代以降のBeyond 5Gとなる未来を映し出す。



【ZONE2/未来都市エリア+技術体験ブース】
 Beyond 5Gで実現する未来を疑似体験

体験ゾーン「未来都市体験エリア+技術体験ブース」では、人類の活動領域の広がりをふまえ、宇宙や上空、海中、仮想空間などを舞台に、Beyond 5Gがもたらす効果を疑似体験できる5つのブースを展開。

リモートムーンオペレーション(未来のしごと):
 月面基地のロボットをリアルタイム操作、時空間を超えた同期が可能に


地球から月面基地のロボットを遠隔操作し、月面作業のシミュレーションを行う、VRゴーグルを活用した没入型体験ブース。超低遅延、高信頼といった特性をもつBeyond 5Gの実現により、時空間を超えたコミュニケーションが可能となる未来を体験できる。


※VRゴーグルを着用した体験は、13歳以上が対象。

HAPSリカバリー(未来のあんしん):
「空飛ぶ基地局」HAPSを操作して、災害時の途絶した通信を復旧、災害支援


画面に映し出されたHAPSをタブレットで操縦して、災害により途絶した通信の復旧を行う臨場感型体験ブース。
「HAPS(High Altitude Platform Station)」は、通信を空から広範囲に届けられる「空飛ぶ基地局」。上空を飛行するHAPSにより、地上の通信網が届きにくい離島や山間部、災害時に通信が途絶したエリアに対しても、通信の提供が容易となる未来を体験できる。




オーシャンクリーニング(未来のしぜん):
人の動きに合わせて動く海中ロボットを操作して海のゴミを収集、海洋環境保全


人の動きに連動して動く海中ロボットを遠隔操作し、海洋環境の保全を体験できるシアター型体験ブース。現在は、海中まで無線通信を到達させることは困難。


NTN(Non-Terrestrial Networks)や水中光無線通信の技術を活用することで、陸地から海洋・海中といった特殊環境での安定した通信を実現する。これにより、効率的な海洋環境の保全活動が可能になる未来を体験できる。




バーチャルピッチングルーム(未来のからだ):
仮想空間でAIアバターとキャッチボール、ボールを受ける感覚も伝達


触覚グローブを使い、仮想空間上で遠隔地の人やAIアバターとキャッチボールを楽しむことができる臨場感型体験ブース。


モノに触れる感覚をリアルタイムで伝えるハプティクス技術には、より高速かつ精緻な通信技術が不可欠。ハプティクス技術と光通信技術の融合により、触覚情報が遠隔地へリアルに伝達された、新たなコミュニケーションの形を体験できる。




クロスコネクトシティ(未来のくらし):
未来の街で起こる課題の通信技術による解決をシミュレーション学習


さまざまな産業システムを連携させることで最適なサービスのシミュレーションを行い、街の課題を解決する学習型体験ブース。


Beyond 5Gによって各産業をつなげる自動連携システムがインフラ上に整備されれば、現実世界のものをデジタル上に再現するデジタルツインの生成技術が格段に進歩する。現実の物体やシステムの動きをデジタルツインでシミュレーションし、予測・分析することで、産業連携の最適化と新たな価値の創出が可能となる未来が体験できる。



【ZONE3/技術展示】
 Beyond 5Gの最新技術をパネル展示や映像、実機で紹介

技術展示では、総務省・国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の Beyond 5G 基金事業等により現在開発中の、Beyond 5G に関連する最新技術を映像や実機を用いて紹介。ZONE2で体験した通信技術など、未来の通信を実現するための技術を学べるエリアとなっている。


展示内容:
1.オール光ネットワークの共通基盤技術
2.基地局の省電力化技術
3.デジタルツインサービス実現技術
4.水中・海洋における新しい通信技術
5.自営網通信技術
6.HAPSでつながる超広域通信
7.三次元宇宙通信ネットワーク
8.宇宙天気予報技術
9.サイバー攻撃観測・分析システム
10.人間拡張・遠隔作業システム


「Beyond 5G ready ショーケース」開催概要

会場催事
・期間:2025年5月26日(月)~6月3日(火)10:00~21:00 ※最終入場は20:00まで
・会場:大阪・関西万博 EXPOメッセ「WASSE」《North》
・料金:入場無料 ※大阪・関西万博の入場チケットは必要です。
・展示構成:プロローグシアター、未来都市体験ブース、技術展示
バーチャル催事
・期間:2025年5月26日(月)~10月13日(月)
(大阪・関西万博の終了日までの141日間)
・会場:Web上(具体的なアクセス方法は、今後以下の特設ホームページ等でご案内)
・特設HP:https://www.soumu.go.jp/b5g-readyshowcase/
・各種SNS公式アカウント:
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 Facebook https://www.facebook.com/beyond5g.rsc
 Instagram https://www.instagram.com/beyond5g_rsc/

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ロボスタ編集部

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