NTTとドコモビジネス、自動運転バスレベル4の通信が”途切れない”新技術 IOWNでマルチパス通信制御など活用

NTTドコモビジネス株式会社とNTT株式会社は10月8日、自動運転車両などの移動体向けの通信安定化ソリューションの提供を開始すると発表した。

同ソリューションは、IOWN技術を活用して無線品質の予測に基づく複数回線によるマルチパス通信制御を行うとともに、データ連携システムを組み合わせることで、自動運転レベル4の遠隔監視を支える高信頼かつ低遅延な通信環境を提供する。

本ソリューションのイメージ

背景として、地域の公共交通において運行業務の担い手不足が深刻化しており、その対策として自動運転レベル4の社会実装に向けた取り組みが全国で加速している。しかし、自動運転向けの通信では、基地局の切り替えやエリアの干渉によって無線品質が一時的に不安定になり、遠隔監視の映像が途切れるなど、走行の安全性に影響を及ぼすリスクが顕在化していた。


3つの技術をパッケージ化して提供

新ソリューションは3つの技術をパッケージ化して提供する。第一に、公衆ネットワーク、ローカル5G、Wi-Fi等の無線種類ごとに機械学習に基づき無線品質を予測するCradio技術。第二に、無線品質予測や通信状況に応じて複数回線によるマルチパスを制御し、高い接続性を実現する協調型インフラ基盤技術。第三に、車両等のデバイスで収集したカメラ映像やセンサデータ、通信状況情報を集約し、複数のデータをリアルタイムで遠隔監視システムに連携するintdash技術(アプトポッドが提供するリアルタイムでのデータ伝送システム)である。


遠隔監視の映像が途切れるリスクを抑制

実証環境下において、自動運転の遅延の目安水準400ms以下の割合が95%に対し、本技術を適用しない場合は1回線目が92%・2回線目が53%にとどまるが、本技術を適用した場合は99%と目安水準を満たすことを確認している。

本ソリューションの構成イメージ

今後は自動運転における安定した遠隔監視の実現にとどまらず、建設機械やロボットなど、移動しながら通信を必要とする他のユースケースでの活用にも取り組み、建設現場、工場、倉庫などにおける遠隔操作や自動化を実現し、人手不足や作業の安全性確保などの課題解決に貢献していく方針である。

各社の役割
NTTドコモビジネス:本ソリューションの提供(intdashと連携した活用提案、環境構築・推進)
NTT:協調型インフラ基盤、Cradioに係る研究開発

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ロボスタ編集部
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