
FA向けアルミプロファイルメーカー大手のSUSは、製造業で導入が進む“多品種少量・混流生産”の搬送工程を自動化する、立体搬送システム『iFAS』(individual Free Access System)を開発した。
『iFAS』は、搬送ルートや工程情報を記憶したパレットがコース上を自走するコンベヤなどの既存の搬送方法とは一線を画した新たな搬送システム。パレットの自走コースは軽量かつ高剛性なアルミ製走行レーンと分岐や合流、昇降ユニットなどのモジュールを組み合わせて構成される。自由な組み合わせで、多品種少量・混流生産に求められる複雑で立体的なレイアウトを可能にし、効率的な自動化とフレキシブルな生産ラインの両立を実現する。尚、『iFAS』は2025年5月19日より受注を開始した。
『iFAS』 開発の背景 ~ 多品種少量・混流生産に対応した搬送工程の自動化を目指して
顧客ニーズの多様化に伴い、ものづくりの現場では「多品種少量生産」や「混流生産」への対応がこれまで以上に求められている。また、労働人口の減少を背景に、搬送工程の自動化ニーズは年々高まっている。
しかしながら、無人搬送車(AGV)やコンベヤといった既存の搬送システムでは、こうした生産現場における複雑な製造レイアウトへの柔軟な対応が難しく、より効率的で柔軟性に富んだ搬送システムの必要性が増している。
こうした課題に応えるべく、SUSはこれまでにFA業界で培ったアルミプロファイル技術と電動制御技術を融合させた、独自の搬送ソリューション『iFAS』を開発。『iFAS』は、自動車、精密機器、機械、電気、医療業界など、幅広い業種の生産現場における多様な搬送自動化ニーズに応える次世代の立体搬送システムです。SUSは、今後『iFAS』を積極的に展開し、3年後の2028年には3億円の売上を目指すとしている。
立体搬送システム『iFAS』 2つの特徴
特徴-1:個別制御できる自走式パレット
小型駆動モーターとマイコンを搭載したパレットに光センサで搬送ルートおよび工程情報をインプットして自走させることで、パレット毎の個別制御を可能に。集中制御システムが不要のため、コスト削減にも貢献する。
特徴-2:拡張性・カスタマイズ性に優れたアルミ製レーン
アルミ製レーンを連結するだけで現場に合わせた搬送コースを簡単にレイアウト可能。昇降ユニット、コーナー、分岐、合流ユニットなどのモジュールを組み合わせることで、平面だけでなく複雑で立体的なレイアウトも可能にする。
あらゆる生産現場に自動化のメリットを ~ 『iFAS』による現場改善
1.多様な生産現場で性能を発揮する軽量・コンパクトな自走式パレット
自走式パレットは、走行レーンから直接給電するトロリー式を採用したバッテリーレス仕様。転がり性能に優れたアルミ製のローラー上を走行させることで、最大10kgの可搬重量を確保しながら、消費電力を抑えた軽量でコンパクトな設計を実現ました。狭小なスペースや複雑な搬送工程、長距離の搬送環境等、様々な制約や課題がある生産現場で活躍する。
2.標準ユニットの組み合わせが実現する短工期&ローコストな設備立ち上げ
標準化されたアルミ製の走行レーンと分岐やコーナーユニットなどの周辺モジュールを組み合わせ、多様な生産現場の環境に応じたレイアウトが容易となっている。このため、既存の搬送システムと比較して、短工期かつローコストな立ち上げを実現する。
3.運用開始後の拡張・メンテナンスにも柔軟に対応可能
搬送システム立ち上げ後のコース変更も、走行レーンやモジュールの追加・変更で対応可能。また、部分的なメンテナンスによる故障時の早期復旧にも対応し、安心・安全でサステナブルな生産現場の運用に貢献する。
「2023国際ロボット展」 参考出展の様子
『iFAS』 製品仕様
パレット
1mレーン
その他 標準モジュール
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SUS株式会社
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