2022年に話題になったロボットたち ロボスタ記事で振り返る 未来のカフェ/自動PCR検査/ASIMOの卒業/ウマ型変形四脚ロボット/配膳ロボ/メイドロボカフェ/カルガモロボ

2022年、コロナ禍が続く中、人々の関心はテレワークや働き方改革、自動化、そして2030年に向けて社会の変化へと興味は移り変わっていきました。その中でも、どのような記事が話題を呼んだのか。2022年に話題になったロボスタ記事、まずは「ロボット編」をお送りします。

ロボットの記事では、前年に愛知県で開催された「ロボカップアジアパシフィック2021あいち」の余韻があり、五平餅を焼いたり、クレープを作ったり、抹茶を点てたりする調理ロボットたちが展示された「スマートライフカフェ」が話題となりました。ロボットが調理する「未来のカフェ」です。
会場ではデンソーウェーブの協働ロボット「COBOTTA」が調理する様子に多くの人が注目しました。

五平餅を焼いて、クレープを作り、抹茶を点てる調理ロボットたち 「スマートライフカフェ」のシェフは協働ロボット「COBOTTA」



一方でコロナウイルス関連のニュースは相変わらず注目度が高く、川崎重工が開発した「自動PCR検査ロボットシステム」を東京都が運用開始したニュースがアクセスを集めました。

川崎重工「自動PCR検査ロボットシステム」東京都で運用 東京都民にPCR検査を無料提供


日本科学未来館で特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」開催

日本科学未来館では特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」が開催され、約90種類130点のロボットが大集結することが発表されました(2022年3月18日~8月31日まで)。歴史を彩ったロボットたちが一堂に会し、パートナーロボットや人型のアンドロイド等も多数、見ることができました。

約90種類130点のロボットが大集結!日本科学未来館 特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」3月18日から開催




130点のロボットが集結「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」会場レポート 日本科学未来館 特別展の見どころ 一挙に大紹介


「ASIMO」(アシモ)の引退

日本のロボットの歴史に数々の足跡を残したホンダの「ASIMO」(アシモ)の引退、という出来事もありました。日本科学未来館で卒業セレモニーが行われ、3月31日をもって未来館を卒業しました。また、Hondaウエルカムプラザ青山からも惜しまれながら引退(卒業)しました。

ありがとうアシモ!日本科学未来館で卒業セレモニー、20年を振り返る「THANK YOU ASIMO! ~未来館卒業おめでとう」



ヒューマノイドロボット「ASIMO」(アシモ) の「未来館卒業記念ムービー」を日本科学未来館が公開 夢と感動の20年間を振り返る
アシモはHondaウエルカムプラザ青山もまもなく卒業 ASIMO開発の歩み特別展示とステージショー特別版を開催中 3/31まで

国際ロボット展 開催

3月には国際ロボット展が開催され、川崎重工のウマ型トランスフォーム四脚ロボット「Bex」、ヒューマノイド「カレイド」と「フレンズ」のデモが話題になりました。

【動画】川崎重工のウマ型トランスフォーム四脚ロボット「Bex」のデモ公開 人が乗って移動したり重い荷物を運んだり


川崎重工のヒューマノイド「カレイド」と「フレンズ」のデモ公開 人とロボットが協働し、ともに暮らす未来を提案


国際ロボット展といえば、人機一体が公開した汎用ヒト型重機「零式人機ver2.0」が話題となった。実際に巨大な遠隔操作ロボットが危険な高所作業を代替するため、SNSではリアル・パトレーバーへの第一歩という意見も見られました。

人機一体が汎用ヒト型重機と高所作業車が連携したド迫力のデモを公開 「零式人機ver2.0」JR西日本と日本信号が開発連携

羽田イノベーションシティ

川崎重工はロボットの実証実験を進め、4月には羽田イノベーションシティ「Future Lab HANEDA」でロボットが調理や配膳を行うレストラン&ショップ等を公開しました。ロボスタではサイエンスライターの森山和道氏がレポートして注目を集めました。

川崎重工のロボットカフェでカレーを食べてきた 羽田イノベーションシティ「Future Lab HANEDA」
羽田イノベーションシティは9月にもロボットやAGV、自動運転バス等を多数展示するイベントを開催。最新ロボットだけでなく、ここ特有の「先進技術と日本文化がいっぱい」の世界観を多くの人が楽しみました。
羽田に未来型スマートシティ「HANEDA INNOVATION CITY」オープン、早速行ってきた ロボットや自動運転バスなど先進技術と日本文化がいっぱい

「V-sido」搭載のロボットたち

また、動く横浜ガンダムのロボット制御技術で知られるアスラテックの「V-sido」が躍進した年でもありました。3月には世界初の4人乗り巨大4足歩行型ライドのプロトタイプを発表、次世代型アバターロボット「ugo」との連携を発表しました。
衝撃的だったのは、VTuberをロボット化して握手会を実現した、そんなイベントも実現しました。力覚フィードバック技術を使ったものです。

まるでSF映画!世界初の4人乗り巨大4足歩行型ライドのプロトタイプ発表、動画も公開 アスラテック「V-Sido」で制御 三精テクノロジーズ
アバターロボット「ugo」がロボット制御システム「V-Sido」に対応 アスラテックとの共同実証実験を公開


けものフレンズV「シマハイロボ」になってシマハイイロギツネが多くのファンと交流 精巧に動く力制御をV-Sidoで実現


「超時空要塞マクロス展」終幕!全長70cmマクロス戦艦からロボットへ変形デモ写真を公開、合計4,600回トラブルなし!2023年春に横浜で公開

配膳ロボットの普及

ロボットの実用化という点では、昨年より配膳ロボットの導入が話題になりました。特にすかいらーくグループが約3000店舗にネコ型配膳ロボット「BellaBot」を導入する予定を発表したことで、業界に激震が走りました。現在、焼肉きんぐなどに導入されているソフトバンクロボティクス「Servi」なども知られています。

PUDOのネコ型配膳ロボット「BellaBot」全国チェーンレストラン「しゃぶ葉」ほぼ全店舗で導入完了 2022年末までに合計3000店舗で配備予定



すかいらーくHD「ガスト」や「しゃぶ葉」など約2,100店に3,000台の配膳ロボット導入を完了 協働ロボットの導入成果も公開


ソフトバンクロボティクスの新戦略「ロボットインテグレーター(RI)」とは グローバルNo.1を宣言、ロボット界のAmazonになる


3台の配膳ロボットがぶつからずに店内を自動運転で行き交う仕事ぶりをデモで公開 ソフトバンクロボティクスのロボット制御システム

メイドロボカフェ、3日間限定オープン

配膳ロボットとは全く異なるアプローチで、飲食業界に登場したのが「メイドロボ」。かねてより、「メイドロボカフェ」をオープンしたいと公言していた「MaSiRoプロジェクト」(ましろプロジェクト)がついに夢を実現しました。



【速報】美少女ロボット3姉妹による「メイドロボカフェ」が期間限定でOPEN アパートの一室から始まった夢への挑戦 MaSiRoプロジェクト


ましろプロジェクトが「メイドロボカフェ」公式動画を3本公開 102名全員の接客に成功「ましろカフェがある日常」

アイガモロボ

一風変わった風体の田んぼの自動抑草ロボ「アイガモロボ」が人気を呼びました。スマート農業として自動化に役立ち、シンプルながらユニークなデザインが好感度アップに繋がったようです。

田んぼの自動抑草ロボ「アイガモロボ」来年度発売へ 井関農機から2億円調達 販売に向けて連携強化


「アイガモロボ」の契約農家が無農薬酒米で一等米を獲得 令和5年の春頃に約1,700本程度の製造量を見込む 小嶋総本店

ABOUT THE AUTHOR / 

神崎 洋治

神崎洋治(こうざきようじ) TRISEC International,Inc.代表 「Pepperの衝撃! パーソナルロボットが変える社会とビジネス」(日経BP社)や「人工知能がよ~くわかる本」(秀和システム)の著者。 デジタルカメラ、ロボット、AI、インターネット、セキュリティなどに詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。教員免許所有。PC周辺機器メーカーで商品企画、広告、販促、イベント等の責任者を担当。インターネット黎明期に独立してシリコンバレーに渡米。アスキー特派員として海外のベンチャー企業や新製品、各種イベントを取材。日経パソコンや日経ベストPC、月刊アスキー等で連載を執筆したほか、新聞等にも数多く寄稿。IT関連の著書多数(アマゾンの著者ページ)。

PR

連載・コラム